機械兵2型
俺たちの目の前に現れた赤い機械兵。俺たちの仲間として動いてくれる白い機械兵を操縦しているミルと黒い機械兵のシンとが赤い機械兵に向かって襲い掛かる。しかし、二人の攻撃は赤い機械兵の右手と左手とで受け止められてしまう。
「やっぱり勝てないかぁ~」
ミルの声が聞こえてくる。10mの巨体が3体、俺たちの頭上で戦いを繰り広げている。小さい体の俺たちは踏み潰されないように気をつけないといけない。しかし、これで分かったことがある。この行動からしてミルとシンは本当に俺たちの仲間になってくれたのかもしれない。一方で問題も発生した。俺はこの赤い機械兵については俺はボスから聞かされていない。
「ミル、シン、この赤い機械兵はなんだ。おれは聞かされてないぞ」
「敵に自分の戦力を誤認させて、油断したところ叩く。これが刺さるって参謀が言ってたんだぜ」
シンが答えてくれる。なるほど、どうやら俺の裏切りを見越しての行動だったというわけか。そしてシンとミルはこの赤い機械兵の存在については知っていたみたいだ。
「まったく、ライって昔から本当に手加減してくれないよね」
どうやら赤い機械兵を動かしているのはライという人物らしい。
「お前たち二人の行為、裏切りとみなした。お前ら二人は徹底的に排除する」
赤い機械兵が右手を開くとどこからか槍のような武器が現れた。魔力を探知できる人物ならわかる。これは俺たち魔法使いが杖を呼ぶときにつかう、呼び寄せの魔法だ。
「ねぇ、いまの」
メイもどうやら呼び寄せの魔法に気が付いたみたいだ。
「うん、二人は気づいたみたいだね。そうなの赤い機械兵、機械兵2型は魔法が使えるんだ」
ミルが魔力を感じることができないアックスやリンのために説明をしてくれた。しかし、こちらには魔法を吸収する手をもつ機械兵1型がいるはずだ。相性関係はこっちのほうが有利だろ。なんてことを思っていた。俺たちの頭上で巨大戦が繰り広げられている。そして俺の考えとは逆に、赤い機械兵が1対2の戦いを完全に制していた。
「妹と弟よ。手合わせをして俺に勝てたことがないだろう。経験値が違いすぎる」
これまた衝撃の事実だ。どうやらライとメイとシンは兄弟だったらしい。どう考えても性格が違いすぎるような気がするが。
「お前を兄さんとは呼びたくないな。ライ、お前たちの考えはだめなんだよ」
「愚かな弟よ。俺たちの母を殺したこの世界が憎いとは思わないのか」
「あぁ、まったく。この世界はいらないと思うさ。でもそれじゃ、あいつと同じになっちまう。俺は妹の唯一の家族であり続けなくちゃいけないんだ」
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