第十話 アナ封印作戦
「あ、そうだ!牛男忘れてた!」
ベル達の話では、牛男は埋められたらしい。牛男なんで大丈夫だとは思うが心配だ。
「けど、あれと戦うのかしら?このままほっとけばどっか行くんじゃないかしら?」
ベルが小首をかしげる。太っていたときは全く意識しなかったけど、今はやばい!可愛い過ぎる。あ、こいつとチューしたんだっけ。
「べ、ベル!頼むから今後はいきなりチューは止めてくれ」
いかん、意識してか顔が熱い。
「何言ってるのかしら?女の子どうしチューは当たり前でしょ?」
あー、そうか、こいつは僕が男ってしらないんだったな…ん、エルフ女性間でチューは当たり前なのか?
説明しようと思ったけど、サリーが僕を赤くなってじっと見ている。アンブロシア千個はいやだ!
「それはそうと、サリーはなんで…僕に…」
いかん、しどろもどろだ…
「ベルちゃんだけ、ずるいって思ったから…それに、目を閉じたマリーちゃん可愛すぎて…」
サリーが真っ赤になって顔を背ける。いかん、サリーも可愛すぎる…
ハーレム主人公ってこんな感じなのか。今は女の子だけど…
ペシッ!
モモさんが僕の頭を軽くたたく。
「なにするんだよー!」
モモさんに抗議する。
「なんか、少し腹たったから、それに作戦考えよ!」
モモさんの言葉で現実に戻る。
まず一つの方法として、アナを元に戻すには、時間がたってエネルギー切れを待つ。これは却下。どれだけ奴が暴れるか予測がつかない。
吸魔のロザリオで封印する。これしかないか。モモさんに投げて貰って隙をつくしか思いつかない。これだと一回こっきりの可能性がある。固定砲台になるが、牛男とモモさんでキャッチボールして貰った方が確率が上がるだろう。牛男をどうやって掘るか?
僕が陽動でモモさんに掘って貰うしかないか。チームはこのまま、僕とサリー、モモさんとベルが無難だろう。
作戦を話して、いざ出陣!
「分子分解ディスインテグレイト!」
ベルに、入り口を開けてもらい、外に出た。
「グラビティ・ゼロ!!」
僕はサリーをお姫様抱っこして駆けだす。目的地はアナの空けたクレーター。
後ろからは、モモさん達がついてくる。
まず、僕がエンカウントして引きつける。アナの作ったクレーターを目指し林の中を走る。
サリーを見るとなぜかしあわせそうだ。
そうこうしてるうちにクレーターに着く。その横の埋め立てたと思われる所には、牛男が首だけ出して埋まっている。
「ご主人様、横です!」
牛男が叫ぶ。
「イージスモード!」
アナのパンチを華麗に避ける。
「遅かったな、待ちくたびれたぞ!」
アナが不敵に笑う。
「ストーン・バレット!」
サリーの突き出した手から、無数の拳大の石がアナに向かう。これは目くらましだ。
「分子分解!!」
モモさんに背負われたベルの魔法が牛男の前の地面をえぐる。危ねーなー!
僕はサリーを背負って後ろに飛び、モモさんの巨人の手に着地する。背中にサリーの柔らかい感触が!
巨人の手を起点に僕ははじき出される。
アナに向かって一直線に、このスピードついてこれないはず!
ぎりぎりアナは避ける。
計算通り!
僕は牛男にしがみつく。
「いけ!牛男!!」
意をくんで牛男は僕達を投げる。
僕達はアナのバックをとった。
ドクン!!ドクン!ドクン!
鼓動が早くなる。これはもしや。なぜしかも今!
アンブロシアが頭をよぎる。千個は無理だ!
僕は体が変化したのを感じ、全力で飛ぶ。みるみるうちに大地が遠ざかる。しかも、高速すぎて、破れた服がすべて脱げ落ちる!
僕は全裸で、目を回したサリーを負ぶって雲の上を漂ってた……