第五話 聖女、ご飯を作る
「美味しいな!最高だなこれは!」
アナはエレガントにステーキを、頬ばる。めっちゃ笑顔だ。こうしてれば、美少女なのに変態なのが残念だ…
「こんな美味しいステーキ始めて食べたわー!」
サリーも喜んでくれている。すこし口にステーキソースがついているのが、可愛らしい。
モモさん、牛男、ベルは物言わず黙々たべている。夢中みたいだ。
あの後、サリーの部屋に大量の肉が運び込まれて、それを収納にしまい、みんなで集まって食事をしてる。焼肉は今度にして、今日は、ステーキとパンとサラダにした。
ステーキは僕の必殺技で、かなり好評だった。良かった。
食事の後はコーヒータイム。僕たちは屋上に移動する。
満天の星空の下、僕たちは円卓でコーヒーを飲む。灯りが少ないので、まるで星が降ってくるかのようだ。弱い光の星まで見える。しし座のレグルスが見える。一等星の中で一番暗いけど、この状況ではとっても明るく見える。しばらく僕たちは無言でこの時間を楽しんだ。
「なあ、なぜ、私たちはこんな美味しいものをたべれるんだ?」
アナがコーヒーを飲んで呟く。因みにブラック派はベルのみだった。みんな子供だな。僕もだけど。
「それは、僕が美味しいものを食べて欲しいからだ」
僕は立ち上がり、胸を張る。ぶるんぶるん揺れる。邪魔だな。
「ありがとう、じゃーどうしてご飯作ってくれたのー?」
サリーが僕の方を見る。目がきらきらしてる。
「そりゃ、お前たちが美味しそうに食べるからだ。まぁ、それに僕たちはもう仲間だろう」
何で、女の子って質問が多いのだろう?
僕たちはしばらく星空の下でしっとりした後、片付けて各々の部屋に戻った。
サリーの部屋に戻り、シャワータイムだ。
でぶになって手が回らなくなった牛男を洗ってやり、つぎは僕、相変わらず目を閉じて興奮しないように浴びる。
なんのトラブルも無くシャワーを楽しめたのは久しぶりな気がした。決してトラブルを期待してる訳ではないが。
「恥ずかしいからー、覗いたらいやよー…」
サリーは顔を赤く染めて、ベルを連れてシャワーに行った。僕はリビングでソファに埋もれてる。これって覗いてもいいっていう合図ではないだろうか?恋愛偏差値の低い僕でも解る。これって、あまのじゃくセリフというやつではないだろうか?嫌って言ってるけど、本当はやって欲しいってやつだ。
僕にもこんなチャンスがくるとは!
しかも相手は、桃髪巨乳ロリ美少女!!
もれなく今は金髪デブドリルロリもついてくるが…
昨日の背中の感触がよみがえる!
体が熱くなる。
そうだ!!
僕は今女子なんだ!
女子が女子の裸を見てなにが悪い!
僕はソファから立ち上がる。
「さっぱりしたわー」
「大きな乳だったのかしら」
「もうっ、ベルちゃん恥ずかしい事いわないのー」
あ、シャワー終わったのね、幸運の女神の後ろ髪はない…
就寝ターイム!
牛男は床確定!
色々トラブル避けるため、協議の結果、僕、ベル、サリーの並びで川の字に決定した。
『お休みなさい!』
みんなで唱和して寝る。すこしどきどきするけど、疲れてた僕はすぐに眠りに落ちた…
チュンチュン!
小鳥の声で目が覚める。あ、ベルもサリーもまだ寝てる。
やばいまじ天使!
サリー可愛い!
僕は身を起こす。
ぐにゅ!
手になんか嫌な感触が……
布団を取ってみると…
地獄…
僕とベルの間に無数のうんこみたいなものが…
「あ、アンブロシア!!」
僕の口から呟きが漏れる。
多分ベルが僕が寝た後、僕からMPを盗って練習しまくったのだろう。
……いかん!サリーが起きる前に片付けないと!!
「おはよう。マリー」
あ、天使の笑顔だ。
「キャアアアアアアアアアーーーッ!!」
サリーの大絶叫が響き渡った…