第十七話 聖女、お買い物する
「ヒャッハー!ここは通さねーぜ!お姉ちゃん達、俺たちといーー事しようぜぃ!」
また、モヒカン三人組だ。なんかとげとげのついた服を着ている。モミはモヒカンを呼ぶスキルでも持ってるのだろうか?
「なっなにっ!ヒーッ!」
モヒカンは尻もちを付いて逃げていく。僕達の後ろには牛男が腕を組んで立っている。ボディビルダーのような体にぱつぱつのタンクトップ、皮のパンツにマントを羽織って、大きな目の穴があいた紙袋からは二本の角が飛び出してる。明らかに尋常な者ではない。
「んー?どうしたの後ろになんかいるのー?」
モミは振り返るが、瞬時に牛男は物陰に隠れる。さすが牛男。頼りになるやつ。
そうこうしてるうちにシティモールについた。僕が欲しいのは、急に変身したときに顔を隠せる仮面と、なんか調理時間を計れるものと、牛男用の服と、後は食材くらいかなー?
あと、リュックサックも欲しい、収納をカモフラージュするために。
と、思ってるうちに、モミに手を引かれて、気がついたら女性の洋服専門店にいた。店内にはいろんな服があるが、正直僕にはなにがなんだかわからない。だって男の子だもん。それに、当然レディーメイドの服では、僕の体型をカバー出来ない。決して太ってる訳ではなく、胸が合わないのだ。
「あんたって、本当、金がかかる女よね。スカートとか靴下しかないじゃない」
ぶつくさ言いながらもモミは僕の服を発掘してくれた。なんだかんだてモミは世話好きなお姉さんだ。シャツとスカートと靴下を幾つか、これらを買って早速着換える。白のひらひらのついたシャツに赤のギンガムチェックのミニスカート、気をつけないとパンツ見えそうだ。めっちゃすーすーする。鏡を見て、我ながらかわいいと思ってしまった。恐ろしい時間をかけて、モミもタイトなスカートとボタンシャツを幾つか買った。
「どっちがいいと思う?」
正直どっちもいいと思います。次はランジェリーショップなう。モミは、ピンクのひらひらのついたブラジャーと白のひらひらのついたブラジャーを僕に交互に服の上からあてて見せる。いかん、つけてるのを想像して鼻血がでそうだ!
「うーん、白の方がモミに合ってるんじゃないかなー?」
平静を装い答える。
「やっぱそうよねー!あたしイコール白よね!」
なんか釈然としないがとりあえず頷いておく。
「怪しいやつだ!捕まえろー!」
なんか遠くで騒ぎが起きてる。遠目でみると、牛男が衛兵に捕まってた。げげっ牛男忘れてた!下着を見繕ってる美少女を遠くから見てる袋被った大男、どこからどう見ても犯罪者だ…