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第十二話 聖女と牛男とサリー


 生まれたのは、多分森の中。物心ついた時にはとにかくいろんなものを食べていた。木の実、木の皮、動物、魔獣、目につくものは何でも口に入れてみた。川の水を飲み、ただ戦い食べるだけの毎日。ある日それも終わる。キラキラな鎧を着た人々につかまった。気が付いたら、檻の中。食べ物は毎日もらえた。檻が開けられた時、先に進むと闘技場だった。いろんなものと戦う、食べるの繰り返し。事故じゃ無い限り知性のあるものは殺さなかった。強くなって、また戦いに来ることがあるからだ。ある日、斧を貰う。このころ、毎日、檻ごしに自分に話しかけてくる者がいて、少しは言葉を覚えた。いろんなものと戦う、食べる、たまに話すの繰り返しの毎日。繰り返し繰り返す。ある日目が覚めたら違う檻にいた。そこにあった食べ物を食べると力がわいてきて、自分以外の全てを壊したくなってきた。しばらくたつ。一瞬目眩がした。外に出てた。三人の娘がいた。とりあえずぶっとばす。胸が大きい娘と戦う。捕まえて噛みついた。それから、少しずつ理性が戻ってきた。後は消滅しかけて助けてもらった。


 牛男のたどたどしく語った事は、だいたいこんなかんじだ。有益な情報は、僕の血に何らかの効果があるという事。機会があれば試してみよう。


「牛男、お前、歳はいくつくらいなんだ?」


「ワカリマセン」


 こいつ、実はめっちゃ若いのでは、ゴツイから老けてみえるが。


「牛!おまえ、もしかして、彼女いたことないのか?」


 アナが目をきらきらさせて聞く。こいつ、牛男に気があるのか?


「ワタシハズット、ヒトリボッチダ!」


 牛男が答える。


「じゃ、明日は初デートだな!楽しめよ!」


 アナは微笑む。まぁそういう事にもなるな。ぱっと見は。実際は男同士だけど。


 僕たちはパンケーキを食べてコーヒーを飲むとレストランを後にした。会計はアナがおごってくれた。今日迷惑かけたからだそうだ。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 僕たちは今サリーの家にいる。三LDKでユニットバスではない。

 因みに、彼女ら学園の成績優良者は家賃は要らないらしい。ここは、冒険者ギルドと聖都の学園の合同出資で最先端テクノロジーのテストも兼ねていて、学園の女子とギルドの優良女子社員が主に住んでいる。男子禁制の女の園だ。ちなみに男子寮は、汚くてくそボロいらしい。女尊男卑甚だしい。


 アナが、執拗に泊まりたがったが、サリーが一蹴した。これで僕の貞操の危機は脱した。


 牛男は魔法の灯りのもと、読書に勤しんでる。辞書片手に。


 一つの部屋は実験室でカオスなので使えないとの事。牛男はこの後ダイニングで毛布にくるまって寝るようにサリーから指示がでてる。本を読むのもOKだそうだ。灯りも用意してある。牛男は、ダイニングに引っ込んだ。


 僕とサリーは二人っきりになった。


「これ受け取って」


 サリーは僕に紙袋をくれた。その中は、僕の下着三セットと、ワンピース三着、それと男性用のシャツ三つと、僕がアナたちにあげた二着のシャツとマントが入っていた。


 これって僕の正体ばれてるんじゃないか?


「サリー、この服は?」


 僕は僕の彼女らにあげた服を差し出す。


「貰ったものだけど、使い途なくてー」


 どうだろう。確認すべきか?


「サリー聞きたい事がある」


「待って」


 サリーは僕を制止すると、灯りを暗くして隣の部屋に消える。すぐ来た彼女は、ネグリジェに着換えている。薄暗いからわかりにくいが、凶悪な彼女の胸の揺れかたからみて、ノーブラっぽい。女の子は寝るときブラジャーをしないって噂を聞いた事がある。


「あなたも着換えたらー」


 僕も隣の部屋で着換える。バニー服と後の服は収納にいれて、一番ゆとりのあるワンピースとショーツを着ける。そして戻る。


「あのね、お願いがあるの、今日はあたしの手を握って寝て欲しいの、今日はいろんな事があって正直怖いの。お願い」


 サリーは、まとめてた髪をほどいてる。やばい正直かわいすぎる。しかも涙目で僕をじっと見る。これでノーって言える男はこの世にいないと思う。僕たちは、ベッドに入る。サリーが僕の手をキュッと掴む。白魚って何か解んないけれど、こういうのを言うんだろう。すべすべで柔らかい。僕は我慢出来ず、サリーを抱き寄せる。僕の大きな胸にサリーは顔を埋める。僕は少し強く抱きしめる。


「マリー、あったかい!ありがとう!しあわせー!」


 サリーの声を聞きながら、僕はまどろんだ。


 僕も、しあわせだ…



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