表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/404

第十二話 聖女の前に狂った戦神降臨する


「戦神降臨アレスフォーム100%!」


 アナは叫び、金色の光につつまれる。光る物体が遠くから飛来し、アナの前に止まる。透明な光るクリスタルみたいなそれは、砕け散り粉になり、アナに吸い込まれていく。既視感デジャヴ?僕はたしかにこの光景を…


 光はさらに強くなり、一旦まばゆく光ると、そこには、金色の光る鎧兜に身を包み、左右の手にに金色の槍をもつアナが立っていた。その姿は神々しく、まるでギリシャ神話の神の一柱。けしからんことに、その胸は、サリーにひけを取らない位になっている。


「わたくし降臨!


 私はアレス、アレスは私!


 我が豊胸の望みここにかなえり!」


 言ってることは、おばかっぽいが、目が違う、目が。


 何というか、知性をたたえている。嫌な予感がする。


「獣の分際で、よくも私に傷をつけましたね!」


 アナはキッとミノタウロスの方を向く。


「サウザンド・ニードル!」


 アナが両手の槍で、ミノタウロスを突く。まるで、アナの前に剣山が現れたように見える。


 ミノタウロスは、なすすべもなく全身から血を吹き出し吹っ飛ぶ。


 ミノタウロスは、しばらく痙攣したのち、また立ち上がる。みるみる傷が癒えていく。


「牛のくせにしぶといな。ステーキにしてやるか!」


 ミノタウロスが渾身の力でアナに殴りかかるが、避ける事すらしない。殴りかかったミノタウロスの方が弾かれて、僕の方にふっとばされる。


「ゴッド・インフェルノ!」


 アナの槍が炎に包まれ、それをミノタウロスに投擲する。槍は、ミノタウロスを貫通し、そのあと逆モーションでアナの手に戻る。


「お前は私を怒らせた。足下から徐々に消えてくがいい!」


 ミノタウロスは炎に包まれる。


「…つよすぎる…」


 ミノタウロスは呟くと崩れ落ちた。


「オオオオオオオオオーン!!」


 ミノタウロスが咆哮をあげながら燃えている。燃えるはなから再生していくが、炎は足下に集中し、そこから上に向けて徐々に移動していく。燃え尽くす早さが再生に勝り、足、そして脛とどんどん焼失していく。


「終わったの?」


 サリーが呟く。彼女は、大地にうつ伏せている。僕のMPは徐々に回復はしているが、まだ彼女の骨折を治癒出来るほどはないと思われる。


「まだよ…」


 モモさんが、ミノタウロスの巨大な斧を杖代わりに立ち上がる。多分、さっきアナが斬られる前にミノタウロスにやられて、倒れていたのだろう。


 モモさんは、アナの方へ駆け出す。


「タイタン・ハンズ!」


 パシーーン!


「タイタン猫だまし!」


 巨大な手のひらが、アナの目の前でかしわでを打つ。


「何のつもりだ?小娘?」


 アナはモモさんに向かって構える。


「アナじゃないわね、アナなら、猫だましで必ず目を瞑る!少しは回復した。いける!プリズン・ブレイク!」


 ジャララン!


 モモさんの前に浮く巨大な手から、生えたかのように肘より前が発生する。それは鎖にがんじがらめにされてるが、その鎖が砕け散り消え去る。


「手加減はしない!」


 モモさんの巨人の両手と巨大な斧を持ったモモさんが、アナに襲いかかる。それをアナは、その場から動く事無く、両手の槍でたたき落とす。


「ま、魔王…?」


 サリーが呟く。


「失礼な。魔王ではない。私は魂に異界の神を宿したもの、いわば半神デミ・ゴッドだ!」


 アナは、モモさんのラッシュを槍で叩きおとしながら、サリーに答える。


「巨人の力か、面白いな!」


 アナは楽しそうにモモさんを見て笑う。


 モモさんの巨人の手が、アナの両手を掴む。


「アナ!ごめん!」


 モモさんは、斧を振りかぶり、アナに振るう。


 ガシッ!


 斧はアナにあたることなく、モモさんは蹴り飛ばされ体をくの字に折り曲げ吹っ飛ぶ。


「弱いな。お前らは、仲間だったよしみで、見逃してやろう。ここで大人しくしておけ」


 アナは、悠々と歩き出す。町に向かって。


「お前、何をする気だ?」


 僕はアナに問いかける。


「何をって?あの町にいる者たちをぶちのめす。強い奴の一人か二人はいるだろう。楽しみだな!」


 アナは、楽しそうに笑う。相変わらずバトルジャンキーか?


 せっかくミノタウロスを撃退したと思ったのに、今度はアナと戦う事になるとは…


 どうすればいい?このままだと、アナは町で暴れまくるだろう。町には多大な被害が出て、もしアナが正気に戻ったとしても、お尋ね者だろう。


 僕に出来る事は何がある?もしかしたら?僕は走り出す。


 パシーーン!


 とりあえず、僕はアナにドロップキックを放った。



みやびからのお願いです。


「面白かった!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、


広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、


ブックマークの登録お願いします。


 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ