表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/404

第十話 聖女激戦


 重力操作の合間にミノタウロスの斧が少し擦っただけで、右足の腿の肉をごっそり持っていかれる。


 痛みと言うよりも熱い!血がほとばしる。


 少しでも出血を抑えるために右手で強くおさえながら回転し、左手で地を叩き跳ね回り着地する。


 まずい!これはしばらく回復に時間がかかる。


 何でこんなに回復が遅いんだ?そうだ、忘れてた。僕は首に掛けた封魔のロザリオを外して収納にしまう。


 封魔のロザリオは、例えるなら、水いっぱいのバケツをひっくり返すとドバッと水が溢れるのを、ゴムホースでチョロチョロ出るようにしてるものだ。


 魔力調整が苦手な僕はどうしても魔法を使う時に無駄に大量のMPを使ってしまうので、封魔のロザリオによりセーブして少量使うようにしている。


 僕から、大量の魔力が溢れだす。みるみる足と全身の傷が治る。


 その僅かな隙に、近づいたミノタウロスに反応できなかった。


 僕は左手を捕まり引き上げられる。


 まずい、僕の腕力では振りほどく方法がない!


「キャアアアーーーーッ!!」


 僕の喉から、甲高い悲鳴が上がる。


 ミノタウロスが僕の右肩を噛み千切る。けど、そのしばらくあとには、何事もなかったかのように修復する。


 どうも、マリーになった時には、魔力が上がりオートヒールが活性化してるらしい。多分一撃で首でも落とされない限り修復するのではないか?


 僕の頭に、一縷の希望が浮かぶ。


 それでもこのまま捕まっていたら、いつかやられてしまうだろう。重力操作しても、大地を蹴るなり推進力がないと、何も出来ない。


 どうすればいい?


「ファイアーボルト!」


 ミノタウロスの顔に、炎の矢が命中する。サリーだ。


「タイタン・ハンズ!!」


 モモさんのそばに浮く巨大な両手が、ミノタウロスを掴む。僕は地面に投げ出される。巨大な斧も地に落ちる。


「テトラアタック!!」


 アナの三連突きが、ミノタウロスの両肩を砕き、最後の一撃は心臓に突き刺さる。


「大丈夫か?」


 アナは剣から手を外し、僕に手を伸ばす。


「アナ!ありがとう。おかげで助かったよ!」


 アナの手を掴み立ち上がる。


「まだよ!まだ終わってないわ!!」


 サリーが叫ぶ。アナが僕を突き放す。何つー力だ、僕は盛大にふっとばされる。


 ミノタウロスが、モモさんの巨人の手を弾き飛ばすが、彼女は巨大な斧を手にしている。


 自分の剣をアナに投げる。そして、ミノタウロスから距離を取った。


 モモさんもひどい姿だ。全身は血塗られ軽鎧は下半身のみで、和服の胸元は大きく裂けている。かなり際どい格好だ。


 ミノタウロスは、胸に刺さった剣を抜いてへし折る。みるみる傷が治っていく。


「マリー、町から助けを呼んでこい!こいつの相手は、私達がする!」


 アナは僕に振り返り微笑むと、受け取った剣を手に駆け出す。


 僕は城門に向かって走り出す。


みやびからのお願いです。


「面白かった!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、


広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、


ブックマークの登録お願いします。


 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ