表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/404

第九話 聖女、ミノタウロスと戦う


 僕は力の限り走り両足を前に投げ出す。


 間に合え!


 ガキーン!!


「キャッ!!」


 大きな乾いた音を立てて、巨大な斧が深々と大地に埋まる。


 ギリギリ僕の渾身のドロップキックが間に合った。


 その轟音で気が付いたサリーを即座に抱え重力操作で後ろに飛び、ミノタウロスと距離を取る。


「サリー魔法は?」


 着地して、サリーを地に横たえる。


「すっからかんよー!どうも足折れてるみたい」


 サリーの右足が大きく腫れてる。戦うのは難しいだろう。治療したいけど、その時間はなさそうだ。


 ミノタウロスは、斧を大地から引き抜き、僕の方に走ってくる。デカイのに速い。正直逃げたくなる。


「サリー少しでも逃げろ!時間を稼ぐ!!」


 僕は何も勝算はないが、サリーから引き離すためにミノタウロスへ向かって走る。


「グォォオォォォオーー!」


 ミノタウロスは斧を振り上げる。


「グラビィティ・ゼロ」


 今の僕にはこれしかない。完全に重力を遮断した僕は、今は空中に浮いてる羽毛のようなものだ。


 斧の風圧で横に流れ避ける。


 次の横なぎの一撃も僕にあたるが、ほぼすべての衝撃を流しているので、派手には吹っ飛ぶが、見た目よりダメージは無い。


 この体にも慣れてきたので、このような事も出来るようになったけど、ただただ、ぶりんぶりん揺れまくる胸が痛い。


 吹っ飛ばされた瞬間に重力そうさしながら駆け寄り、またふっとばされる。


 牛奴は、怒り狂い僕に容赦なく斬撃を浴びせ続ける。


 今のところうまくいき、軽い怪我だけではすんでいる。


 ああ、こいつが牛並みの頭でよかった!


 けど、ジリ貧だ。少しづつオートヒールによる回復より、ダメージの方が多くなる。あと、多少は切られてるので、少しづつ、僕の服が無くなっていく。


 悲しいけど、僕には全く攻撃手段が無い。今出来る事は、他の三人に気が向かないように、ただやられ続けるしかない。


 町の警備兵とかが来てくれないだろうか?


 それか、三人の誰かが復活しないだろうか?


 細心の注意力で、戦いと言うよりも一方的にやられ続ける。すこしでもしくじると、即致命傷だ。


 ふっとばされる。


 近づく。


 ふっとばされる。


 近づく。


 僕はほぼ下着同然で、全身切り傷だらけだ…


 永遠のように長く長く感じたその攻防も、突然に終わりを告げる。


 力配分を少し間違ったために、ミノタウロスのでたらめな一撃が、僕の足を捉える。



みやびからのお願いです。


「面白かった!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、


広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、


ブックマークの登録お願いします。


 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 読んでる限り、完結ではないと思うのですが、完結済になってますよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ