第三話 魔法とは!
「んー、そーねー、今日が初めての授業だから、まずは魔法の頂点『世界魔法』を体験して貰おうかしら」
ベルが口に人差し指を当てて微笑む。
「ベル先生、それは全力で阻止させて頂きますよ。ここにはサリーとアナとアルスがいる事をお忘れなく」
僕はベルを睨む。ベルの世界魔法、最悪過ぎる。みんな全裸になって塩に埋もれるか、デブ地獄が顕現することになる。それだけは絶対に阻止してみせる。
「マリーさん、冗談よ。あなたたちにはまだ『世界魔法』はまだ早いかしら」
ベルは手をパタパタしてる。何が冗談なものか。止めなかったら間違いなくぶっ放してただろう。
「それでは、まずは、魔法とは何かについて話そうかしら。では、そこのオタクっぽいチビデブ。魔法とは何か言ってみて」
ベルが僕が見せパンを見せて遊んでた陰キャの1人を指差す。さすがだな。弱そうなヤツを嗅ぎ分ける能力はピカ一だ。チビデブ君は眉目秀麗なベルの視線を受けてキョドっている。まるで陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクしている。
「えー、魔法、魔法とはですね。ま、マナを変換して様々な奇跡を起こすものでありますっ」
ブルブル震えながらチビデブ君は言葉をひねり出す。よし、よく頑張ったな。また今度見せパン見せてやる。
「そうですね。それでだいたいは合ってます。ちなみにマナをとは心の力、強い思いの力の量です。それでですが、魔法を使うと言う事を分かり安く説明すると、まずは各々にその原料となるマジックパワー、いわゆるマナと言うものが存在します。これは例えれば水がはいった容器のようなもので、個人個人でその大きさが違います。大きなプールの者がいれば」
ベルは僕を見る。
「小さなバケツの者もいます」
チビデブ君の方を見る。
「そして、魔法を行使するのは、そこから何かで水を掬うようなものです。スプーンで水を掬える者もいればバケツで水を掬える者もいます。それで、同じ魔法でも使う者によって威力が変わってきます」
そう言うと、ベルはクラスのみんなを見渡す。
「ここで、分かり易いように、言葉を決めておこうと思います。魔法のエネルギー量をマナ、魔法を使う時の威力を魔力とこれからは呼びます。それで、今から皆さんは、1週間以内で魔力とマナを限界まで高めて貰う訳ですが、魔力はある程度までは訓練でどうにかなります。一方、マナを増やすためには、限界までマナを使って回復するを繰り返したらある程度は増えていきます。あとは、私が持つクスリでもある程度増やせます」
「はーい、ベル先生。なんで1週間で魔力とマナを高めないといけないんですか?」
眼鏡をはめた頭良さそうな女の子が手を上げて問いかける。
「はい、それは、1週間後にG組の皆さんは、A組と総当たりで戦って負け越したら皆さん退学になるからです」
ベルはニコリと笑う。
「「「えーーっ!」」」
クラス全員が絶叫する!
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