第四話 滋養強壮
「マリーちゃん、表に来て!」
メイさんの僕の呼び名がいつの間にか、マリーさんからマリーちゃんに変わってる。ま、いいけど。距離が近くなったみたいだな。
僕はメイさんに手を引かれて外へ繋がる梯子に行って登る。
メイさんが先に登り、ついスカートの中が目に入ってしまう。そして、いたたまれずにすぐに目を逸らす。
例のお尻丸出しの勝負下着だ!
今晩はやる気だ!
メイさんって以外に肉食系なのか?
ウシオに教えるべきか迷いながら外に出た。
「いっぱい掘ってきたわよ!」
メイさんは、ずだ袋の中から土のついた茶色い棒状のものを十本ほど出した。
山芋だ!
山芋には滋養強壮作用があると言われているので、本気で今晩はやる気なのでは…
メイさんのイメージがどんどん残念な方に転がっていく。八○墓村の事もあるし…
「メイさん、すごいな…どこで見つけたの?」
まじすごい。どうやってこの短時間でそんなに沢山の山芋を見つけて掘ったのだろうか?山芋探知のスキルでももってるのか?
「この荒野の先の方には湿地帯が広がってて、結構いろんな植物が生えてたわよ。私の知ってる食べれるものはこれしか見つからなかったけど」
どういう調理をしようかと迷うけど、山かけご飯にしよう。すりおろした山芋に出汁醤油を少しまぜて味つけしてご飯にかけてやる。昔、面倒くさいときはめんつゆを使っていたけど、今、僕の収納には、昆布出汁と鰹出汁と甘みの強い醤油があるので、絶妙にブレンドする予定だ。考えただけで、つばが出て来そうだ。
メイさんと一緒に風呂場で芋をたわしでごしごしする。力を入れると皮もある程度むけて、泥がなくなったら終了を繰り返す。ヌルヌルしてて芋を取り落としそうだ。十分もすると全部洗い終わった。ここで僕ら後衛の非力組の仕事は終了だ。すりおろすのは前衛の仕事だ。
「マリーちゃん!帰ったわよー!」
次はサリーの声がした。