第六十二話 勝負下着
「メイさん!メイさん!聞こえたら動いてくれ!」
僕は叫びながら掘りまくる。もしかして、悪い予感が頭をよぎる。今は三人で掘ってる訳だが、正直サリーは凄い!まるで動物が砂を蹴るかのように塩煙をあげながら、ごいごい掘りまくる。
「いたのかしら!」
ベルを見ると、ベルが月明かりに照らされて何かを握っている。よく見ると、白い足首が地面から生えている。まるで、刑事物のドラマとかで、死体を掘り返してるみたいだ。猟奇的だな…
死体になってない事を祈りながら掘り進む。失礼して足に触れてみるが、冷たい!やばいんじゃ!
「サリー!引き抜くぞ!」
「マリーちゃん、塩って硬いのよ、いろんな所擦りむいてひどい事になるわ!」
急いで丁寧に掘り進み、両腿まで出て来た。地面からすらっとした両足が生えている。まるで八つ墓村だ!誰かがすると思ったけど、まさかメイさんがする事になるとは…
「マリーちゃん、ここからは、あたしたちが掘るわ!マリーちゃんは後ろを向いてて!これからはレディとしての尊厳に関わるから!」
僕はメイさんが心配だが、後ろを向いて、それと言ってする事無いから座る。サリーに任せれば大丈夫だろう。
「マリーちゃん!来て!穿いてたわ!」
僕は駆け寄る。見ると、確かに穿いていた。嬉しかったから僕をつい呼んだんだと思うけど、レディの尊厳が踏みにじられた光景だった。
メイさんは、腰から下だけが大地から出てて、大股開きで足を前にだらしなく投げ出している。穿いてるパンツは真っ黒で、レースばりばりで必要最小限以外はスケスケだ。お尻もほぼ紐で丸出しに近い。勝負下着だろう!誰と勝負しようとしてたのだろうか?
僕達は急いで掘り起こした。あと首だけのときに、グキッとかボキッとか音がしていたけど、大丈夫だろうか?片面だけ彫り進めばよかったと思うが、後の祭りだ。
メイさんを横たわらせる。胸が微かに上下してるから生きてはいるみたいだ。流石ドライアード、植物系の種族だけあって生命力も強いのだろう。見てみると、ブラジャーも激しいものだ。先端部分以外はスケスケで装飾が凄い。エロエロだ。僕はたまらず目を逸らす。清純派のイメージが地に落ちて突き破った感だ。
「なんで、下着、残ってるんだろう?」
「マリーちゃんは、裸のほうがうれしかったのかなー?起きたら聞いてみましょ!」
サリーがいたずらっぽく笑う!うっ、可愛い!
「光!光がーっ!」
程なくして、メイさんはうめきながら目を覚ました。