表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

362/404

第五十四話 牛男無双


「ご主人様!僭越ながら、この場はこのウシオめに任せていただけないでしょうか?」


 いつも無口なウシオが口を開く。赤い短髪にすこし濃いめの顔。牛は草食動物のはずたけど、まるで獰猛な肉食獣みたいだ。


「ああ、任せた!ウシオの好きなようにやれ!」


「ありがとうございます!戦い方について何かご注文はございませんでしょうか?」


「ああ、自由にしてくれ。ウシオに任せた」


「その期待にお応えいたしましょう!」


 ウシオは立ち上がると騎馬立ちになり全身に力をいれる。顔がこわばり、毛と角が生え牛の顔になる。昔見た狼男の映画みたいだ!


 けど、よく見ると牛は可愛い!


「キャアー!格好いい!」


 メイさんが黄色い声を上げる。みると、キラキラした目で牛男を見てる。僕の中では牛男は格好いいと思うのだが、共感してくれる人は少なく、理解者が増えてすこし嬉しい!


「それでは、シェイド殿、影の主を私にして下さい。そして皆様影の中でゆっくりとされてて下さい!」


 牛男は首筋から何かを出す。斧のチャームが付いたネックレスだ。それを首から外すとみるみる大きくなって、刃だけで僕が隠れる位の超巨大な斧になった。でっかい団扇みたいだな。


「牛男、それどうしたの?」


「私の斧が使い物にならなくなったので、ご主人様のお母様からいただきました」


 牛男は軽々とそれを掲げる。


「マリーちゃん、あれってモモの剣と似てない?ちょっと貸して」


 サリーが近づいて牛男から斧を受け取る。


 持てるんかい!


「軽くて重心のバランスもいい、とってもいい斧ね、牛男ちゃん、今からこれで特攻かけるんでしょ!最初一分だけ代わって!お願い!」


「まぁ、私はいいですが、ご主人様いかが致しましょうか?」


「サリー、最初の一分は牛男でその次サリーじゃ駄目かな?」


「マリーちゃん、牛男ちゃんがいったら、多分一分後には敵は1人も居ないわよ」


 サリーは収納から砂時計を出してテーブルに置く。


「それじゃ、一分だけ外で戦わせて!一分たったら呼んで!」


 そう言うとサリーは斧を片手に飛び出した。


「私が無双する予定だったのに…」


 珍しく、牛男がぼやいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ