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第二十六話 強襲


『グラビティ・ゼロ!アクセル・インフィニティ!』


 サリーとシェイドの声がシンクロし響き渡る。僕の周りに風が吹き抜ける。


『スタンジャベリン・ハンドレッド!』


 サリーとシェイドの声がハモる。僕の体を小さい何かが瞬時に縛り付け、僕は転倒する。その時に、傾く視界の中で僕の仲間の何人かが小さい生き物に縄でぐるぐる巻きにされてるのが見える。ゴブリンか?辺りを無数の光の矢が飛び交い、何かが倒れるような音がする。



「まだ、やるの?これ以上は遊びで済まされないわよ!」


 サリーが倒れた僕を抱き上げて、声を張り上げる。


 辺りを見渡すと、サリーとシェイド以外は縄でふん縛られて大地に転がってる。あと、何人もの子供達がその周りに寝転がっている。スタンジャベリンの魔法なので気を失ってるだけだろう。よく見ると見覚えがある。孤児院の子供達だ!


 どこからともなく一陣の風が吹き、突然、僕達の目の前に女性が現れる。修道服にメリハリのあるボディ、きらきらとしたオッドアイ、シスターリナだ。


「すみません、本当は私は嫌だったのですが、お母様が身の程をわきまえさせろと…」


 リナは腕を組み伏し目がちに口を開く。母さん、子供たちに何させてんだ…


「あなたは、誰なの?」


 サリーは僕を抱いたままリナの前に立つ。


「サリー、彼女はリナ、僕の義理の妹で孤児院の管理者で、アルスの実の妹だ」


「マリー様!妹ではなくて、婚約者です!」


 リナは強く抗議する。


「ほう、例のマリーにつきまとう悪い虫ね!第一夫人は私よ!ぶっ潰す!」


 サリーの目に怒りの火がともる。


「サリー!どうどう!」


 僕はサリーを落ち着けようとする。


「あなたがサリーね、私のマリー様を誘惑してるという!」


 リナは目を細め、殺気が膨れあがる。


『勝負よ!』


 二人の声がハモる。もしかしてこの2人メッチャ気が合うのでは?


 サリーは優しく僕を地面に座らせる。


 二人は対峙し、その間を一陣の風が吹く。


「フルポテンシャル!グラビティ・ゼロ!アクセル・インフィニティ!」


 サリーの叫びと共にサリーとリナの姿がかき消える!


 須臾の間のあと、サリーがメキシカンローリングクラッチホールドでリナを固めてた。サリーはいつの間に僕のフェイバリットホールドを身に着けたんだ?サリーは肩車のような感じでリナの両腕を固め、両手でリナの足をがばっと開いている。修道服の裾はまくれ、リナのピンクのパンティはまる見えだ!


「勝者、サリー!」


 僕は大声でサリーの勝利を叫ぶ!


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