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第二十二話 精霊女王の涙


「じゃ、まずは、シャルと次はイカいっちまえ!」


 僕はまずはギルティ君を収納にしまった。軽く前座からだ。これで、みんな思う存分暴れてくれるだろう。僕は虫の居所が悪かった。なぜならば、大金貨40枚使っての結果が孤児院に行くだけだからだ。格好つけた自分も悪いが、高値すぎるだろう!

 下手したら、裕福な家庭の年収位ある。多分女王は守銭奴だ!

 痛めつけられればいい、いつもの僕みたいに!


「シャルは、女王様をぎゅーしたい!」


「どうぞ!」


 やはりシャルは可愛いお願いをした。座ってる女王にしがみつきギューする。しばらくして満足して離れる。


「女王様、お母様と同じにおいがした!」


 うーん、巨乳って似たにおいがするものなのか?


「んー、僕はそれといって望みがないな。満ち足りていますからね。そうですねー、女王様なんか記念に下さい」


 イカはそこはかとなくむかつく事を言いやがる。ぼっち歴の長かった僕には死んでも放てないセリフだ。


「それでは、これを差し上げましょう!如意剣です。魔法の剣で、魔力を込めると伸びます」


 明るく澄んだ声が響く。


「ありがとうございます。大事にします」


 おお、なんかテンプレRPGのワンシーンみたいだ。


 これで、女王様を安心させた所で、まずは一撃!


「それではサリーいきます。女王様、有り金全部下さい!」


「……」


「それは冗談で、精霊女王の名に恥じない金銭報酬を下さい!あたしは、国やギルドとかに正式に報告します。精霊女王からいくらお金を貰ったか。たぶん後世まで語り継がれて行くでしょう!」


「…わかったわ…今回は、迷宮を攻略してないから大金貨一枚でどうかしら?」


 やっぱケチだ!ガキのお年玉かよ。


「黄金認識標の冒険者サリーは数々の困難を乗り越え迷宮都市の最下層でやっとのことで、精霊女王に会いました。そして、大金貨一枚を貰って喜んで帰っていきました。えっとぉー、この話を聞いた人たちがどう思うかなー?」


 おお、煽りよる。煽りよる。


 僕も参戦!


「それは、多分、こう思うね!精霊女王に会うより、ゴブリン狩ってたほうが効率いいや!精霊女王はゴブリン以下だなぁって!」


 僕はサリーの援護射撃をだす。


「私がゴブリン以下…」


「いえいえ、違いますよ、ゴブリン狩り五回位で上手くいけば大金貨一枚位稼げます。正確には価値的にはゴブリン50匹位と女王様が今の所同じ位と言うことで、ぜんぜん女王様のほうが素晴らしいですよ!なんせゴブリン50匹ですから!」


 サリーがまくしたてる!鬼だ!


「すみません、10枚で…」


「500匹ですか…」


「11枚で…」


「550匹ですね!」


「グスッ!お願いですからゴブリンでカウントしないで下さい!20枚、これで勘弁してください」


 座ってる精霊女王の目から涙が一筋!


 勝ったな!


 カジノでお金を使った分の溜飲を下げることができた!


 デッサン人形を大きくしたような木のゴーレムが革袋を持ってきた。サリーはそれを受け取ると、地べたにあぐらをかいて、スカートの上に革袋をひっくり返した。そして、大金貨を一枚一枚見分する。やからかよ。


「女王様、確かに受け取りましたが、びたが一枚混じってますわ!これは小金貨9枚分の価値しかないから交換お願いしますね!」


 少しでもケチろうとする女王も女王だが、それに対するサリーは完全やからだ!盗賊とかの親分みたいだ!


「…はい…」


 女王の目からもう一筋涙が…


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