第三十三話 聖女シャワーを浴びる
僕は今、モミの家にいる。なんとか生還できた。
それにしても実は初女の子の家だ、めっちゃ緊張する。
中はシンプルで、飾りっ気はなく、やはりエルフだからか、木でできたものが多い。三階建てのアパートで男子禁制の貼り紙があった。入り口には、ガードマンと思われる石のゴーレムさんがいた。
モミの部屋は三階の三号室、中は2LDKで、何とユニットバスのシャワールームがある！
モミに聞いたら、エルフの魔導具で、シャワーヘッドを握ったらＭＰを吸収して丁度いいお湯が出るらしい。ホースも付いてない。便利だ。パクろうとしたら、建物の地下にある巨大な魔法装置の一部分なので、他の場所では使えないらしい、残念。
モミから服をもらう。沢山あった中で緑色のダボッとしたワンピースと胸の所にフリフリのついた白のタンクトップだけが、なんとか入りそうだ。次は下着、ブラジャーはモミが自分のを改造して作ってくれた。白色でそれとセットのショーツもくれた。
やばい、またくらくらする。めっちゃ可愛いほろ酔いの女の子から、下着を貰ってる。恋愛偏差値ゼロの僕にはレベルが高すぎる。
あと、ショーツを二つとフリフリなカボチャパンツを貰った。これでお尻丸出しライフから卒業できる。タンクトップとカボチャパンツを掴みあとは収納に入れる。なんか頭がぼーっとするし、早くシャワー浴びたい。
「しゅ、収納魔法！初めて見たわ！便利ねー、今度一緒に買い物に行くわよ」
モミのテンションが上がっている。可愛い奴だ。
「今度近いうちに、服買いにつれてって、僕、ここらのこと詳しくないから」
やっとろれつは回復した。コミュニケーション取れないのは痛かった。
「わかったわ。明後日休みだから朝うちに来て。」
「ありがとう」
僕はバスタオルをもらい浴室へ向かう。
「ぜったい！ぜったい覗くなよ！入ってくるなよ！」
「はい、はい、大丈夫だって、中から鍵かけれるから」
なんか嫌な気がするが、さすがに入ってはこんだろう。
脱衣所に入る。脱衣所のドアノブはレバータイプで、収納から出した剣を引っ掛けたらどうしても開かないように出来た。これで安心できる。
僕は苦労して、汚れて破けてる服を脱いで収納にしまう。こいつはゴミ箱行きだな。
シャワールームに入り、中のものの配置を目に焼き付け、脱衣所に戻り目を瞑って下着を脱ぐ、手探りでトイレを拝借して、シャワーを浴びる。ああ、気持ちいい最高だ。お酒で若干虚ろだった頭がすっきりする。
「大物！げぇーーーーっとぉーー！！！」
がしっ！
誰かに後ろから、直に胸を掴まれる！
それよりも！
それよりも！
モミはどうやら裸で僕に背中から抱きついているらしい……
それよりもー！
それよりもォォォォォッー！
背中に、なんか、柔らかいものがくっついてる！
「ギャアアアアアアアア！」
僕の覚えているのはここまでだった…
