第十八話 甘美な朝
「おはようマリーちゃん!」
サリーとモモさんがコーヒーをもって僕の部屋に来ている。昨日は全員個室でふっかふかなベッドで就寝きた。鍵がついてたので、閉めてたおかげで、誰もこなかった。久しぶりに一人で寝た気がする。
コーヒーを飲んで考える。昨日の幸運はちょっと僕にしてはおかしい気がする。何らかのスキルが働いているのでは?前、手に入れた、鑑定のスキルポーションの事を思い出す。飲むか!
収納から銀色の液体を湛えた小瓶を取り出す。なんか液体にしては重くメタリックで飲む気をそぐ。水銀みたいだ。
「あ、スキルポーション!忘れてたわね。けど、なんか飲む気がそげる液体ね」
モモさんが瓶を手に取りしげしげと眺める。今日のモモさんは甚平だ。かがんで胸元が見えるのでつい目が行ってしまう。きれいな、谷間が目に入る。
「マリーちゃん、目を閉じて!飲みにくいでしょ、飲ませてあげるわ」
サリーの言葉に僕は素直に目を閉じる。
きゅぽん!
瓶の空く音がする。
「マリーちゃん、お口を開けて!」
言われた通りにする。
むにゅ!
口にしっとりとしたものが押しつけられる。目をあけると、サリーが僕に口づけしている!口のなかにどろりとした液体が流し込まれる。僕はそれを飲み込む。ギルティ君は?ギルティじゃないのか?さらにサリーが抱きついてくる!
ぷはっ!
やっとサリーが離れる。
「さっき、モモの胸を凝視してたでしょ!それと昨日鍵締めて寝てた罰です!」
なんて甘美な、罰なんだろう!
どきどきする!
「じゃあ、もっとひどいことしたら、どんな罰がまってるのかな?」
僕はつい思いついたことを口に出す。
「もう、マリーちゃんなんて、しらない!」
サリーが赤くなってそっぽを向く。
「隙あり!」
ちゅっ!
モモさんの顔が近づき、軽く唇にモモさんの唇が触れる。ん、なにっ!
「最近、あまり構ってくれなかった罰です!」
モモさんはそう言うと真っ赤になって走って出て行った。
「朝から、何やってんすか?扉あけっぱなしで!これ、返しに来たっす!必要みたいですね!」
マグロがドアの陰から出てきて、ギルティ君を僕に渡す。あ、マグロがもってたのか!
「マリーちゃん!もう大人なんだから、そろそろぬいぐるみ卒業しない?」
サリーがギルティ君に手をのばす。
「あ、サリーの姉さん、マリー様を手篭めにする気っすね!目が尋常じゃないっす!」
「マグロ、ギルティ!」
ギルティ君の目が光り、放たれた光線がマグロに刺さる。
「アヒー!アイアイアーッ!」
僕はギルティ君を抱きしめる。心の平安のためには、彼の協力が不可欠だ!
「じゃあさ、ギルティ君どれ位からがギルティなの?」
サリーがおずおずと聞く。今のマグロの悶えかたは、若干女子を捨ててた感あるからな。
「マグロを見てたらわかるだろう!」
ギルティ君がダンディな声で答える。
「なんかそれって、マグロが四六時中セクハラしてるみたいじゃないっすか!」
「マグロ、お前、胸に手をあててみろ!四六時中セクハラとセクハラ発言してるぞ!」
「いただきます!」
マグロはそう言うと、僕の胸にじかに手を滑り込ませてきた!
「ヒャウッ!マグロ!自分の胸だよー!」
「マグロ!ギルティ!」
「あいあいあいあーっ!じ、自分の胸触っても、あんまり感じないっす!」
「さらに!ギルティ!」
ギルティ君の光線が太くなる!
「あひー!あひー!あいあいあいあーっ!」
「よっくわかったわ!マリーちゃんにはまだまだギルティ君が必要ね!マグロ!あたしですら、ここ数日マリーちゃんの胸、直に触ってないのに!シェイド!ギルティ君をコピーよ!」
サリーの影から出てきたシェイドが黒いギルティ君にチェンジする。
「ラーニング完了!ギルティビームゲットよ!」
おお、こうやってスキルをコピーしてたのか!
けどサリーの目からビームが出るのは見たくない!
「おい!飯食いにいこーぜ!」
ギル王子が扉の所に立ってる。
「おっけー!」
僕はギルティ君とシェイドギルティ君を抱っこして王子について行った。