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第十四話 迷宮都市のカジノ


「鍵は誰かが噴水に捨てたみたいね!」


 サリーが辺りを見渡して僕に呟く。


「噴水の所で打ち伏しがれて泣いてたんだろうな。有り金全部巻き上げられて…」


 扉を開けると、また扉でネオンのキラキラした悪趣味な装飾が施されている。大きな扉で大きな文字でCASINO(カジノ)と書かれている。なんか気がすすまないが扉を開ける。


『いらっしゃいませ!』


 二人のバニーガールが僕達を歓迎してくれる。ナイスボディで、とっても美人さんだ。化粧は濃いけれど。


 カジノだ、昔の記憶でよくテレビとかでやっていたラスベガスみたいなカジノだ。広い部屋の奥にはカウンターのバーがあり、ルーレット、バカラ、ブラックジャック、ポーカーなどの机がある。


 奥の方にはスロットマシーンみたいなのも見える。


 楽しそうな空気に我慢できなかったみたいで、僕の影からゾロゾロみんな出てきた。そしてさっきサリーが呟いた。


 僕達はここは安全だろうということで、思い思いに見て回る。


 交換所みたいなところで、説明を聞くと、ここのカジノではコインでしか勝負はできないそうだ。コインが貯まったら景品と交換できる。景品一覧をみると、一番高い景品に目が止まる。



『精霊女王の部屋へのマップ』



 多分、精霊女王というのは僕の母さんだ。母さんからの念話が全く無いから、何らかの事情があるのだろう。ろくでもない理由かもしれないけど。


 景品のマップがあれば、速攻母さんに会えるかも?トライする価値はあるだろう。


 僕はみんなを集めて景品一覧を見せる。


「ここのカジノを攻略するぞ!」


 みんな肯く!


 心なしか目がギラギラしている。特にアナ!



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「マリーちゃん、その箱魔法で動いてるの?」


 サリーが僕の隣に座り、台をのぞき込む。


「なんというか、魔法と言えば魔法かな。この世界では」


 僕は奥の方にあるビデオポーカーの台に座った。どういう原理でどこから持ってきたか解らないが、ここには電気があるらしい。イルミネーションやネオン、このビデオポーカーとかはどう見ても電気で動いている。


 ちなみにお客さんは僕達だけだ。バーのバーテンダーに一杯奢って聞いてみたが、普段は混雑してるけど、いまは有事で賭け事を楽しむ人は少ないそうだ。僕達も、急いではいるのだけど、上手くいったら迷宮探索してるより効率がいいかもしれない。


 コインは一枚銀貨一枚で、僕の欲しいマップはなんとコイン10万枚だ。現金で購入すると大金貨千枚という、とてつもない金額だ。サンドリバーにお金を貸さなかったら、手にしてた金額だけど、さすがに母さんに会うためだけに出せる金額ではないな!しかも、バニーちゃんに聞いてみたら、精霊女王のマップは一回しか使えなく、もし会えたら運がよかったらなんか願い事を聞いてくれるかもという、ぼぼネタアイテムみたいだ。


 ビデオポーカーのコインは、ゲームの画面で管理されてて、お金をを払うとチャージしてくれて、台を離れるときに店員さんに頼むとコインか景品と交換してくれるというシステムだ。僕は大金貨10枚を払って、コインを千枚チャージする。


「え、マリーちゃん!本気なの!」


 サリーが驚く。無理もない、ほかのみんなはちまちま賭けてあそんでいるからな。


「本気も本気、お金が無くなるか、店がパンクするか!勝負だ!」


 僕は胸を叩く。相変わらずデカかった。

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