第九話 我慢の露天風呂
「ああ、僕のティラノサウルス!」
欲しかった…
持って帰りたかったけど、また、今度だな。
とりあえず後始末だ。
「ゴッドフェニックス!」
王子が裸で燃えている!
カロリー消費でデブはなおったみたいだ。つまらん!
「もう終わったぞ、男湯に帰れ!」
「なにっ!とうっ!」
露天風呂の仕切りの壁を飛んで男湯に帰った。さすがに裸は恥ずかしかったのだろう。
まずは、裸でうつぶせのイカをシェイドの部屋に収納する。
次は、巨人の手にくるまってるモモさん。
ギルティ君と遊んでいるアナ。
順番にシェイドの部屋に放り込む。
金カブの黒のビキニを拾って金カブの前におく。
「後ろ向いてるから、着替えろ!」
衣ずれの音がして、振り返ると金髪美少女シャルに戻っていた。
「お風呂は水着いらないんじゃないの?」
シャルが小首をかしげる。可愛いなおい!
「水着も可愛いからよし!」
「可愛い!お母さんありがとー!」
のびのび育っても欲しいものだ。胸は育っているけど。変態のアナやベルとは絡ませないようにしないと!
「やっと落ち着いっすね、結界も修復終わりましたし!」
マグロがひょいと現れる。オレンジのワンピースタイプの水着だ。胸元の大きなリボンが可愛らしい。
「お前、どこ行ってたんだ?」
「結界の修復っすよ。恐竜がまたバカスカ入ってきたら、たまったもんじゃないっすからね」
「お前、そんなこともできるのか?」
「任せてください!マグロちゃんは有能なんすよ!お、三人だけっすね!黒い奴らはいるけど、これでしっぽり組んずほぐれつ温泉を堪能できるっすね!」
「マグロ!ギルティ!」
「アイアイアイアイアーッ!」
マグロがまたやられている。もう喋らなければいいのに。
まだまだ魔力の補充をしたいので、脱衣所へ行く。黒ベルはまだ、五体前後いて、数体は僕についてくる。
「お風呂は、裸ではいるもの…」
黒ベルたちは服を脱ぐ。ちらっとみると、真っ黒で細部は余り見えない。僕は危険を感じ服を脱ぎ入浴する。僕の隣にマグロと金カブがいて、その周りを黒ベル十数体が囲んでいる。増えてやがる。気にしないようにする。
僕はベルが好き!
僕はベルが好き!
自分に言い聞かせる。
「ヒャッ!」
後ろから手が伸び、黒ベルが微笑みながら僕の胸を揉んでいる。
「ベル!ギルティ!」
「アイアイアイアイアーッ!」
黒ベルをすり抜けたビームはマグロにあたる。可哀想な奴だ。
「おしっこ少しでたっす!」
おい、風呂でそれはマナー違反だろう。
「マグロ!ギルティ!」
「アイアイアーッ!」
黒ベルはお風呂から上がる時に何らか僕にちょっかい出していく。腐ってもベルだな。だけど平常心!
マグロが漏らしたとか言ってたのが気になり、場所を変えて浸かる。今度は黒ベルが僕に群がってくる。色んな所を触られるが、目を瞑り無になり我慢した。多数の裸?の美少女エルフに群がられる僕…なんの苦行だよ!
僕はどっと疲れて露天風呂をあがった。最後あがるときに、やっと綺麗な景色に気がついた。やれやれだ。