第七話 怪獣現る
「デロリン、デロリン、デロデロデロリン♪」
僕はゴ○ラのフレーズを口ずさむ。
「もうっ、マリーちゃんなに裸で踊ってるの!」
「だって!ゴ○ラだよ!ゴ○ラ!」
やっぱり怪獣のロマンは女の子には解らないらしい。
正確にはゴ○ラではなく、ティラノサウルスみたいだが、まあ、細かい事はいいだろう。
怪獣が近づいてくる間に、僕はサリーに下着を付けられて、ワンピースを被せられる。サリー、上達したな。
僕は浴槽から上がるがどうも怪獣さんは僕が好みらしい。そんなに僕が魅力的なのか?遠目にもこっちを見てる気がする。
おお、いつの間にか、みんな着替えている。サリーとシェイドはチューブトップとショートパンツ、モモさんは浴衣みたいなの、アナは下着、しかも僕のっぽい。
「デブ最高!デブ最高!」
アナはラリって温泉に浮いている。いつもは浮きにくいから新鮮なんだろう。
「サリー、アナの下着って僕のじゃないか?」
「しょうがないじゃない。マリーちゃんのが一番大きいんだから」
「うう、なんか僕がでぶみたいじゃないか」
「それより、来るわよ!」
ギャギャッ!
怪獣は巨体の割には素早く、僕の方に駆けてくる。思ったよりでかくないな。つまんない。
「グラビティ・ゼロ・イージスモード!」
「タイタン・ハンズ!」
「分子分解!」
僕、モモさん、ベルが叫ぶ!
怪獣は僕に噛みつこうとするが、その風圧で僕は後ずさり、二つの巨人の手でその顔をモモさんが押さえつける。そのモモさんの背中に光が吸い込まれて、モモさんの浴衣が消え失せる!
あ、こんどはお尻がバッチリ見えてる!
ラッキー!
「キャッ!」
モモさんは可愛らしい悲鳴を上げて、巨人の手で体を包み隠す。
光が来た方を見ると、また黒ベルだ!
まだいるのか?
黒ベルにサリーとシェイドが駆け寄る。
「大丈夫か?」
シュタッ!
僕の隣にブーメランパンツの王子が着地する。
「覗きにきたのか!変態王子!」
「それもあるが、今はそれどころじゃないだろう!加勢してやる!こい!イカ!」
一瞬僕達は影に覆われる!
ビチョ!ピチピチ!グチョッ!
汚い音をたてながら、巨大なイカがティラノサウルスを押さえこむ。
「マグロ!黒ベルはどんくらいいるんだ?」
「んーっ?たくさんっすねー!」
まじかよ、言ってるうちにもう一体黒ベルが現れる。
「分子分解!」
「きかねーな!」
ベルの放った光を王子が体で受け止める。
もう一体、三体目の黒ベルが現れる。もはやカオスだ。
「グラトニー!」
「そんなへっぽこ魔法、きかねーって言ってんだろ!」
「王子!馬鹿!それは違う!」
僕は王子を引っ張るが間に合わない!ドヤる王子の顔がパンパンに膨れていく。
「おーまいがっ!」
王子は股間をかくしてうずくまる。なかなかいいデブになっている。四股名をやってもいい。
イカとティラノサウルスはいい勝負をしてるが決め手に欠ける。
「金カブいきます!」
可愛らしい声に振り返ると、金カブが後ろを向いてブラとショーツを脱ぐ。なにやってんだ?金色の光りが溢れ巨大な金色の、カブトムシが現れる。あ、服を破かないようにしたのね。いい子だ。
『どっせーい!』
念話で掛け声を上げて巨獣たちに突っ込む。ティラノよりもイカの方がダメージ受けてるような?
「ディスペル!」
サリーの魔法で黒ベルが消滅して爆発する。速攻逃げたので被害は無かった。
黒ベルたちとサリーとシェイドが接戦を繰り広げている。黒ベルたちは、特にサリーを狙っているようだ。
カオスだカオスすぎる。どうやって収拾つかようか…