第十四話 サンドリバーの夜
「多分、王子とアルスはやってくるわ!マリーちゃんを狙って!」
サリーが軽く机を叩いて言い放つ。まさか、そんなに二人ともおばかじゃないだろう
いわば獅子の口に手を入れるようなものだ。このメンツなら。
僕たちは今お茶を飲みながらテーブルについている。当然ながら下着はつけているが、全員メイド服のままだ。可憐なメイド達に囲まれてるのは嫌な気がしないが、自分もメイド服なんで複雑な気分だ…
僕は少しうとうとしてて、何を話しているかあまり聞いてなかったが、どうやらみんなで交代で僕の見張り番をする事になったらしい。ただ単に僕と一緒に寝る口実なのでは?
王子によってサンドリバー城の客間が僕たちに5部屋あてがわれた。1人1つづつ部屋はあるのだが、一番広い僕用の部屋にみんな集まっている。ベッドに寝ている僕を中央にサリー、モモさんが挟んで川の字になっている。アナと金カブはベッドの横に椅子を置いて座っている。見張りながら交代で寝るらしい。魔法の灯りを消して、僕はめっちゃ眠いのでそうそうと寝ることにした。ベッドの上でメイド服の美少女二人に挟まれて少しどきどきしながら。
「あれー部屋間違えちゃった!」
白々しい声を上げながら扉を開けてアルスが入ってくる。
まじか!
馬鹿なのか?
「天誅!」
飛びだしたアナの前蹴りが見事にアルスの顎にヒットする。
一撃死だ!
伸びたアルスを金カブが隣から布団をもってきて簀巻きにして部家の外に放り出す。なんか段取りいいな。
「お母さんにまとわりつくゴミは排除します!」
金カブは部屋に戻って来ると、金色の髪を掻き上げた。もう少し大人だったらもっと様になるのに。
僕はいつの間にか少しうとうとして、なんかとても嫌な感じがして目を覚ました。
「サリー!モモさん!」
おかしい、誰も返事をしない!
「アナ!シェイド!金カブ!」
僕は慌てて起きようとするが、何故か体が全く動かない!
金縛りか?
夢なのか?
怪奇現象なのか?
ギギーッ!
扉が開いて、何者かが入ってくる。暗くてはっきりとは見えないが、浴衣みたいなのを着たおかっぱ頭の人物だ。
座敷わらしなのか?
そして、その後ろから角みたいなのがある、やたらぶくぶく太った生き物が足を引きずりながら入ってくる。
ズズーッ!ズリッ!ズリッ!
鬼なのか?妖怪なのか?妖怪は実在したのか?その怪異が僕ににじり寄って来る!
「キャアアアアアッ!」
駄目だ!怖い!怖すぎる!
絹のような悲鳴をあげて、僕はいつの間にか意識を失った…
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