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第十二話 サンドリバー岩盤浴


「ちょっとまったー!」


 部家の扉を開けて、誰か来た。金髪のサラサラヘアーのイケメンだ。


「あのー、誰でしたっけ?」


「忘れたのかよ!そこの魔神の代わりに石になったアルスだ!世界一の勇者になる者だ!」


 忘れてはいないけど、印象なさすぎだろ。まあ、強かったとは思うけど、役にたつのか?


「どうやって城に入った?ノラ犬!」


「普通に正面玄関から入った!警備の者を振り切って!」


 王子にアルスが答える。サンドリバー騎士をやり過ごすとは、思っている以上にこいつ強くなってるのでは?


「俺も連れて行ってくれ!アンデッドには貸りもあるし、マリーには恩もある!それに、妹と孤児院の子供達にも会いたい!」


 アルスは拳を握り締める。


「ところで、お前、どうやってここまで来たのか?」


 ここは聖都からかなり離れている。こいつに移動手段は無いはず。


「走って来たに決まってるだろ!」


 やはり、こいつは超人1号だけある。普通走って来れる距離じゃない。


「王子どうする?」


「まあ、荷物もちくらいにはなるだろう!」


 なんだかんだで、アルスも連れて行く事になった。戦力は少しでも多いに越したことはない。会議は終了で、今日はサンドリバーで休み、明日出発になった。学園には学長を通じて連絡をお願いして、落ち着くまで休学することになった。出来るだけ早くなんとかしたい。武術大会までに、牛男たちと合流したい。サンドリバーに嫁がなくて良いように!



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「天国!」


 天国なうだ!サンドリバー城で、ご飯を振る舞って貰った後、城には女子風呂がないということで、城下町にある、浴場に来ている。サンドリバーがち地獄だ。城には女子いねーんだよ!


 因みに、サンドリバーのご飯は豆尽くしだった。あのマッスルたちの体は豆で出来てたのか!

 城下町でみた人たちも、スタイルが良く、鍛えられてる人ばかりだった。ここに逗留すると、みんなマッスルになってしまいそうだ。それはよろしくない。


 今、僕は岩盤浴中だ。しっかり汗を流して、老廃物を出して入浴するのが、ここでは流行っているそうだ。岩盤浴場は男女共用でお風呂は分かれている。時間が遅めなので、僕たちしかいない。貸してもらった水着にみんな着替えている。


 大きなかまくらみたいな石で出来たドームの中に石作りの床があり、そこにマットを敷いて横になってる。背中がぽかぽかだ。汗が染み出してくる。


 頭を外に放射線状に、枕を外に寝転んでいて、僕はモモさんとサリーに挟まれている。辺りはむっとするような甘い香りにつつまれている。美少女たちの汗のにおいなのか?がち天国!


 サリーは緑の水着で、少し小さいのか胸がはみ出そうだ。呼吸にあわせて、ゆっくり揺れている。下の方も布面積が少ない気がする。ほぼ紐のようで、おしりがほぼ丸出しだった。横になってて目を閉じているけど、僕が見てるのに気づき、目が合う。


「マリーちゃん!可愛い?」


 む、何について聞かれているのだろう?サリー本人?水着?


「ぼ、僕のことかな?」


 僕はサリーの方に体を向ける。僕はフリフリの付いた白い水着を着ている。胸のところが少しきつい。


「もう、マリーちゃんが可愛いのは当たり前でしょ!あたしを見て!」


 サリーがこっちを向いて近づいてくる。ピンクのツインテールに幼い顔で痩せてるのに胸が大きい。アンバランスだけど、それがサリーでとても魅力的だ!


「他の人いるかもしれないけど、マリーちゃんのために、大胆なのいっちゃったのよ!」


 いかん!

 

 ぎゅーしたくなってきた!


 けど我慢、サリーに抱きついたら、多分みんな来て収拾つかなくなる。いつも通り誰かが脱いで、多分アナ!

 興奮して気絶しておもちゃにされて後の事は覚えてないという悲しい結果になる!


「う、うん、可愛いよ!」


「ありがとう、マリーちゃん顔、汗まみれよ!拭いてあげる!」


 サリーの顔が近づいてくる。吐息が触れるくらいの距離で手にもったタオルでちょんちょん汗を拭いてくれる。大きな目、血色のいい唇、少し上気した頬、傷やシミ一つない肌。僕は見とれていた。近くで見ると、僕が思っているより、格段に綺麗だ。サリーのタオルをもった手が僕の頬に置かれる。


 チュッ!


 僕の唇にサリーの唇が触れる。上手くタオルで隠してた。サリーは全身真っ赤になる。僕も体が熱くなる。


「あー!もうのぼせそうだわ!先に浴槽行くわね!」


 サリーは、少しふらふら立ち上がると、僕に微笑み小さく手を振って、出て行った。小さくて形のいいおしりが僕の目に焼き付いた。


 いかん、まだ、胸がどきどきしている。あと少しで気絶するとこだった!


 サリー恐るべし!


 けど幸せ!


「サリーの汗、シェイドと同じにおいだな!」


 サリーのいたマットをシェイドが嗅いでいる。ちょっと変態っぽいけど、少しシェイドが羨ましい。シェイドはサリーの色違いでピンクだ。黒い肌に映えている。こいつも際どいのを着用している。四つんばいになってるので、大きな胸が強調されている。緑のツインテールと一緒にふるふるしている!


「じゃ寝るか!」


 シェイド大の字になって寝息をたてはじめた。早いな…


「お母さん、シャルももう行きますね!」


 少し上体を起こすと、金カブがこちらに手を振っている。サラサラの長い髪が汗をかいた体に所々貼り付いている。少し長めの細い手足に大きいと言ってもいい胸を白いチューブトップで押さえつけている。ショーツも飾り気のない白で、避暑地に来た令嬢って感じのイメージだ。正直かわいい!

 けど、こいつは僕の娘だと言い聞かせる。大きく手を振ると駆けていった!


「マリーちゃん、そろそろ行く!真っ赤よ背中!」


 コロンと転がりモモさんの方を見る。今日のモモさんは真っ赤なセパレートだ。サリーに負けず劣らず布面積が狭い!


「あたしも、頑張ったんだ!」


 モモさんは腹ばいで両腕を枕にしてこちらを向く。腰のくびれ、ほぼ丸出しのおしりが見える。


「もう、おしりばっかり見ないで、恥ずかしいわ!」


 モモさんは赤くなっておしりを押さえて、体をこっちに向ける。形のいい胸が現れる。少し小さめのブラでグラビアアイドルみたいに胸がこぼれそうになってる。


「もう、ちょっと、マリーちゃん、目がエッチ!」


 モモさんが赤くなって目を逸らす。僕も恥ずかしくなって目を逸らす。いかんぼーっとしてるので、なんか配慮がなくなってる。


「マリー!食ってやる!」


 アナの叫び声が聞こえる。あいつ、頭大丈夫か?何を食う気だ?何を!


 アナの方を見ると、大の字で動かなくなってる。黒いスクール水着みたいなのを着ているが、ここから見るとアングルがやばい!お股が開いていて、若干食い込んでる様にみえる。慎ましい胸が上下してるから、生きてはいるらしい。もっとお淑やかにしましょうよ!いたたまれなく、目を逸らす。


「寝言だったみたいね!」


 モモさんが微笑んで近づいてくる。目がキラキラしてる。


「ちょっと、のぼせてきたけど、待ったかいがあったわ!サリーには抜けがけされたけど、二人っきりね!」


 え、さっきの見られてたの!


 鼓動が早くなる!


 モモさんの顔が近づいてくる。


 僕の唇にしっとりとした柔らかいモモさんの唇が押しつけられる。



 え、何が起こってるんだ?



 僕は頭がパニックになって、意識を手放した…



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