第二十八話 聖女エルフと戦う
「それで、僕になんか用か?ほぼ初対面なのに失礼な奴だな!エルフってばかばっかなのか?」
うんこエルフは、ぼさぼさの髪で、クールにコーヒーを飲んでる。なんかむかつく!
「おっぱい聖女、あんたが、なんか悩んでるみたいだから、声かけてあげたのに、なんつー言い草よ」
なんというか、その上から目線っぽいのがカチンときた。
「おっぱい言うなや!僻むなやひんぬー!お前は、あんま知らない人の乳揉むのか、じゃ、あそこのおっさんの乳でももめよ」
近くのテーブルのはげてデブなおっさんを指差す。力士みたいな体型だからいい乳してるだろう。
「なっ、生意気なおっぱい!そう、そう、せっかくだから、相談にのったげようとしてるのに、態度わるすぎやろ。帰ろっかなー」
「さっさ帰って牛乳のめや!ひんぬー!ひんぬー!」
うんこエルフは、立ち上がると、また消えた。
「そうそう何度もやられるかよ!」
僕は後ろを向き、何もない空間を抱き締める。ちょうど、僕の胸の辺りに出て来たうんこエルフをぎゅっと抱き締める。計算通りだ。
「窒息しやがれ!うんこエルフ!」
あらん限りの力をこめる。ジタバタするが、うんこエルフは次第にぐったりしてくる。
「痛っ!」
僕の胸に、鋭い痛みが走る。
「噛むなや、噛むなや、こら」
「エルフ舐めるなよ!うしちちっ!」
「牛いうなや!」
また、後ろから、乳を揉まれる。力が抜けるが振りほどきビンタをはつる。
おっ、怯んだ!
マウントを取り抱きつき、乳チョークを狙う。
「つっ!!」
また、鋭い痛み。
「噛みつくなやこら!エルフには、プライドはないんか!こらぁ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「それで、言いたい事あれば、囀れや!うんこエルフ」
気がつくと、僕らの回りには人垣ができてる。テーブルも移動されてバトルフィールドが出来ている。
「はいはい。今のところうんこエルフ優勢。オッズは2対1。はった!はった!牛乳に張る者はいないかねー。締め切るよー」
なんかいつの間にか賭博も開かれてる。娯楽に飢えてるのだろう。そろそろ、僕たちはこのカフェを出禁になるのではないだろうか?
「おう!牛乳今度こそは、そのひんだれた、乳を剥きだして、揉みしだいたるわ!」
うんこエルフは、カップに入った多分コーヒーをあおると立ち上がる。次こそは殺る!
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僕とうんこエルフは、互いの健闘を讃え合いしっかりと握手をしている。
7勝9敗。
負け越してはいるが、なんか清々しい。勝敗は途中から、カフェのマスターがジャッジしてくれた。有り難い。
ふと、我に返る。
それで、僕は今まで何をしてたのだろう?