第一話 サンドリバー再び
少し流れを変えて行きたかったのですが、しばらくこのまま行きます。
「聖女マリーから、今度の武術大会の資金と街の復興のために、無金利無期限で大金貨千枚を貸して貰った!」
「オオオーッ!」
「マリーちゃん最高!」
『マリー!マリー!マリー!マリー!』
ギル王子の叫び声に、騎士団員からコールが起こる。
僕ははにかんで少し手を振る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ここは、サンドリバーの城内の中庭の広場。僕たちは朝から金カブとイカに乗ってやって来た。
僕、王子、学園の学長先生は台の上に立って、その前にフル装備のサンドリバー重騎士団が整列してる。因みにほかのみんなは僕たちの後ろの方にいる。
「あと、今回の大会には、俺が学んでいるガンダーフ魔道学園が全面協力してくれる事になった!学長先生!一言お願いします!」
王子は額に血管を浮き上がらせながら、手を後ろに組んで反り返りながら大声をだす。なんかの応援団みたいだな。
「風の精よ力をかせ!大声!」
学長は虚空から玉のついた杖を出すと呪文を唱えた。玉が光り、杖をマイクみたいに持つ。
「えー、只今紹介にあずかりました、ガンダーフ魔道学園学長のムラク・ガンダーフです。我々はこの大会に全面協力いたします。既に大陸の主要都市の魔道学園支部と、各種のギルドに大会の内容を告知いたしました。優勝賞品は賞金大金貨千枚と聖女マリーとの一日デート券、各種ポスターマリーちゃんの姿絵つきも送りました!」
学長は虚空からポスターを出してみんなに見せる。
『おおっ!』
騎士団からため息が漏れる。そこには全裸で座っているフルカラーの僕の絵が!
「おっと間違えたわい!これは売り物のサンプルじゃ!」
「じじい、てめぇ死にたいのか!」
僕は小声でじじいを肘でつつく。
じじいはポスターを丸めて小脇にはさむ。動きがわざとらしい!
確信犯だな!
こいつ大会で儲ける気まんまんだな!
「売ってくれ!」
「俺も欲しい!」
「いくらでもだすぞ!」
騎士団の団員たちは騒然となる!
「いただきーっ!」
王子は学長からポスターをひったくると猛然と駆けて行った!
「多分諸事情により、王子はしばらく戻らないと思いますので、進行は私が務めます」
騎士団長が代わりに壇上に上がる。
「では、学長殿続きをお願いします」
「こちらが、本物のポスターじゃ!」
今度はまともなやつだ。とはいっても僕は何故か胸が強調されたメイド服を着ている。
素晴らしい笑顔だ!
正直、僕も欲しくなった!
『おおおぅ!』
感嘆のため息が漏れる!
しばらく、みんな注目してた。
バサッ!バサッ!
空から鳥が飛ぶような音がする。空を見上げると遠くに鳥みたいなものが見えて、みるみる大きくなっていく。
ドラゴンだ!
しかもかなりデカイ!
「総員戦闘準備!」
団長の一声で、全員盾を構える。僕たちは台から降り、それを騎士達がかばう。
「見つけたぞ!悪魔の片割れ!聖女マリー!」
ドラゴンが叫ぶ。
「マリー、ドラゴンにも恨みかってるのか?」
学長が杖を構える。
「爬虫類には知り合いはいないわ!」
「聖女マリー、この町を焼け野原にしたくないならば、言うことを聞け!」
ドラゴンはゆっくり空中を旋回しながら空に火球を吐く。そして僕らの真上でホバリングしている。
「今から鎖を降ろす!それに掴まれ!」
上から鎖が伸びてくる。
「サンドリバーは、俺と重騎士団が守る戦うぞ!」
いつの間にか戻ってきた王子が叫ぶ、ポスターは持ってない。
僕は吸魔のロザリオを外す。
「ここで戦ったら、もしかしたら犠牲者が出るかもしれない。ここは従おう」
僕は鎖を握る。すると、鎖が動き僕を絡め取る。
しまったスパッツ穿いてない!
下からはまる見えだ!
けど、一種にして空に巻き上げられたから、見えてないのでは?
「絶対助けてやる!」
『ピンクー!!』
王子と騎士団の声が最後に耳に届いた!
めっちゃ見えてたやん!
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