第二十六話 蹂躙開始
「ハンズ・オブ・ヘカトンケイル！」
僕たちが着地するなり、モモさんが叫ぶ！
僕たちの回りに無数の巨人の手が浮かぶ。
「行くわね！」
モモさんが僕の背中から離れて走り出だす。
「パラライズ・ニードル！」
モモさんの背中から降りたウニが、麻痺針を飛ばす。
ウニが足止めして、モモさんが殴る。えげつないな！
二人が駆け抜けた後に死骸の山ができる。
「誰か！助けてー！」
うち漏らしたオークが、僕の方に走ってくる！
豚顔だ！
想像してたより大きい！
ドゴッ！
僕の影から何かが飛び出して、オークを殴り飛ばす。
「マリーちゃんには、私たち以外の指一本触れさせないわ！」
サリーだ。なんか言い回しがストーカーっぽいし少しエロい。
「サリーありがとう！」
影からもう一人飛び出す。黒いサリー、シェイドだ。
次は、金カブ、イカも出てくる。
「イカ君もしかして、シャルのパンツ見たー？」
シャルがイカに笑いかける。
「あ、そういえば、梯子登るとき、丸見えなんじゃ？」
サリーの言葉に、イカはサリーから目を逸らす。
「イカ！ギルティ！」
シェイドはそう言うと、イカの首ねっこを掴んでモンスターがいっぱいいるとこに投げる。
そこには、巨大なイカが現れた。
「あたしもー！」
シャルが光輝き破裂する。僕たちは吹っ飛ばされるが、サリーが僕をだっこして捕まえ跳躍する。
「シャル！巨大化するときは、服を脱いで、回りをしっかり確認するように！」
現れた巨大な黄金のカブトムシの頭に着地して、サリーは大声を出す。
『ごめんなさーいー』
声ではなく、頭に直接言葉が聞こえる。念話だ。
サリーと僕は金カブの小さい角の後ろのコクピットに座る。二人で横にならんで腰を抱き、もう片方の手で角の取っ手みたいなのを掴む。
「約束、守ってくれたのね！」
サリーが微笑む、僕も微笑む。
「ああ、サリーが乗るのが初めてだ。金カブ、発進！」
僕たちは、たくさんモンスターがいる方にぶちかましてやった。
