第二十四話 落とし穴でショートカット
新しい短編書きましたので、よろしくお願いします。下のリンクから入れます。
題名は、
『最強の茸使い~クズと罵られて崖から落とされて世界から追放されたけど魔界を平定し眷族の魔王と無双します!力を貸せといわれてももう遅い。俺は好きなように生きて行く~』
です。
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「では、しゅっぱーつ!」
僕たちは戻ってきた時に使った中地下11層の転移魔方陣に入る。
メンバーは戻ってきた時と一緒だ。普通だったら10層までがチュートリアル的なもので、ここからが本格的な探索だと先生が言っていた。
パーティーは僕と、アナ、モモさんあと一人は順番交代で僕の影の中のシェイドの部屋でトレーニングしたりする事にする。
隊列はアナとモモさんが前衛、僕と残った一人が後衛だ。まずは、ウニが一緒に戦う事になった。
11層に降り立つここからは広大で色んな罠も出始めるという。
「こっちだ」
アナのナビについて行く。出来る限りモンスターを狩りながら階段があったら降りる。ここからは地図が出回ってない。不定期に形が変わるかららしい。僕の目を通じて見た見たものがシェイドの部屋に映し出されていて、常時誰かがマッピングしている。便利だシェイド。
開けた部屋に入るゴブリンだ。やっと人間型だ。少し嬉しい。四匹見える。
「グギャギャギャ!」
一瞬にして四匹とも前方の壁に吹っ飛ばされ、ぶつかり爆ぜる。
「容赦ないですね…」
ウニが呟く。
「完全にオーバーキルだな…」
アナもモモさんもゴブリンを蹴り飛ばしたみたいだ。前からはパンツ丸見えだと思われる。
「二人とも、これ穿こう。前から見たらパンツ丸見えなんじゃ?」
僕はスパッツを渡す。
「要らないんじゃないか?見た奴は死ぬわけだし?」
「いや、アナ、ゴブリンにパンツ見られるって、気持ち悪くないか?」
「そうね、なんか気持ち悪いわね」
モモさんは受け取る。しぶしぶアナも受け取り二人とも穿く。
二人が蹴り殺す、僕とウニが魔石を回収する。繰り広げながら思う。僕は今は不要なのでは?
「なあ、これって楽しいか?」
アナがぼそりと呟く。
「楽しくない…」
ついつい本音が口を漏れる。
「下に穴ほったらショートカット出来ないかな?」
「多分無理だろう、降りる階段結構長いからな」
アナの提案は魅力的だけど、どんだけ掘る事になるか解らない。
「ウニ君とイカ君に任せて、私たちは休憩しとくっていうのはどう?」
モモさんが僕の顔を覗き込む。最近距離が近い。嬉しいけど恥ずかしい。
「それも魅力的だけど、この二人は補助系のスキルが多いから攻略スピードが落ちると思う」
「少しいいですか?さっきの話で思いついたんですけど、この階層からは落とし穴が出てきます。次の階層に続くのもあるので、それを利用するのはいかがでしょうか?」
「お前いいこと言うな。それ採用!」
アナはウニの肩をつかんで揺する。やからみたいだ。
「で、では、落とし穴を見つけたら言いますね!」
やはり、若干ウニはアナにびびってる。
「ああ、出来ればモモさんの方がよかったな」
アナの背中で僕は漏らす。攻略スピードを上げるため僕はアナ、ウニはモモさんに背負われている。
「つべこべ言うな!乳もむぞ!」
アナはダッシュで部屋を横切る。
「待って、落とし穴見つけた!」
後ろからウニの声がする。ウニはモモさんにしがみついてる。羨ましい。
「でかした!」
アナはためらいなく、モモさんたちの前に空いてる穴に飛び込む!
「まて、まってー!」
僕は叫んだが、時遅し。僕らは浮遊感に包まれる。
こいつは馬鹿なのか?
他の罠、たとえばトゲトゲとか、酸のプールとかあったらどうするんだ?
「グラビティ・ゼロ!」
僕は重力をコントロールして、ゆっくりと降下する。
「どいて、どいて!」
上からモモさんが振ってくる。スカートの中丸見えだけど、スパッツはいてるよ。あ、僕が穿かせたのか。残念…
けど、みるみる近づいてくる。モモさんのお尻が!とっさに前を向いて直撃は避けたけど、肩車みたいになる。ひんやりすべすべの足が気持ちいい!ラッキーだ!
「キャッ!マリーちゃん動かないで!」
モモさんが恐る恐る動き、僕が背負う様な形になる。肩車もよかったけど、おんぶも最高だ!特に背中が!
アナが僕、僕がモモさん、モモさんがウニを背負う様な形で、のろのろ下降していく。どうも重力操作の限界みたいで、止まることは出来ない。
下に出口が見えてくる。12層突入だ!
下にも大きな穴が空いてて、なすすべもなく落ちて行く。
「お、ラッキー!まだ下に行けるな!」
アナは喜んでるが、嫌な予感がする。
のろのろ下降していくと、また出口が見えてくる。
13層突入だ!
げ、また穴だ!
「モモさん、なんとかならないか?」
「どうせ飛び込むんでしょ!まだ行ってみましょう!」
「そーだね!」
また、のろのろ下降していく。また出口が見えてくる。
14層突入!
また、穴があいてる!
まあいいや行ったれ!
僕たちは重なってる亀の置物みたいな間抜けな格好のまま、更に下降していく。次は長く、やっと出口が見えてくる。
ウオオオオーン!ガゥッ!ガッガッ!
なんか下から獣の叫び声みたいなのが聞こえてくる。
「お!なんかいるみたいだな!楽しそうだな!」
アナは相変わらずバトルジャンキーだな。
僕たちはどきどきしながら下降していった。
ブクマ、評価よろしくお願いします。執筆の原動力になります。