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第十一話 ゴキブリ先輩


「お前!もしかして俺たちの獲物を横取りしようとしてんのか?」


 皮の鎧を着た目つきの悪い老け顔の少年が睨みつけてくる。


 今、シェイドの部屋のリビングの壁に画像が映しだされている。


「これ、アナの見てるものだよ」


 シェイドが説明してくれる。


「え、サリー以外の見てるものも映せるのか?」


 僕は驚きシェイドに問いかける。


「うん、シェイドが影に入ってる人のものならね」 


 なんと、シェイド凄い!


 これは面白い。なんて便利な機能なんだ。


 僕たちはめいめいソファに座る。


「いや、全く興味ないな!」


 アナは老け顔に答える。まあ当然だな。


 皮鎧の老け顔の隣にはローブの男がいてその前には鉄の鎧に剣と盾の重戦士風の男と、鎖かたびらに棍棒の背の高い男がいて、三匹の巨大ゴキブリと対峙している。できればゴキブリだけは見たくなかった…


「あのジャイアントローチ三匹は俺たちのものだ!お前なんかには渡さんぞ!」


 ローブの男もアナを睨みつける。


「だから、いらないって!お前らそんなにゴキブリが好きなのか?」


「ゴキブリじゃない! ジャイアントローチだ! それより、お前ダンジョンなめてんのか! 何ひらひらな制服でダンジョンに潜ってきてんだよ!」


 皮鎧がアナをなめまわすように見る。とくに足を見てると思われる。アナの足は綺麗だからな。


「うわ!気持ち悪っ!あいつアナの足ばっかみてるわよ!キモッ!」


 サリーが心底嫌そうな顔してる。


「おいおい、私に構ってる暇あるのか?お前の仲間ゴキブリに押されてるぞ、お前らゴキブリ以下なのか?」


 画面を見ると、鉄の鎧の男が武器を手から落として三匹のゴキにガジガジされている。それを鎖かたびらが棍棒で殴ってるけど、あまり効いて無いように見える。正直とても地獄絵図だ!


「覚えていろよ!」


 皮鎧の老け顔は小剣を抜いて、駆け出す。


「ゴキブリって以外に強いのね…」


 モモさんがテーブルの上のポテトチップスを食べながら言う。直に見ないのなら平気みたいだ。


「ファイヤーボルト!」


 ローブの男の魔法がゴキを一匹を焼く!


 おお凄い!


 そのあと三人がかりで、ゴキと戦ってるが、気持ち悪いので、シェイドに頼んで、アナに違う所を見るように指示を出す。


「なんとかやっつけたみたいだな! 良かったな! 危なくなったら助けようと思ってたが、いらん心配みたいだったな」


 アナはゴキブリ大好きパーティーに声をかける。彼らは満身創痍だ。けど、彼らの表情はすがすがしい!

 

 やり遂げた男たちの顔だ!


「フフ!これがダンジョンの醍醐味だ!みんなで協力して強大な敵に立ち向かう!もしよかったら、君も我々と一緒にローチをハントしないかい!」


 鉄鎧の男が兜を脱ぎ、アナに手を差し出す。最低なセンスのナンパだな!

 誰が好き好んでゴキと戦いたがるというのだろう?

 

 けど、もしかして、アナならば!


 僕たちは画面に釘付けになる!



「ああ、確かに素晴らしい申し出だが、私にはもう仲間がいるからな! さっきはゴキブリ以下と言って悪かった、貴方たちは多分ゴキブリよりは上だ!」


 アナは返答したけど、軽くディス入ってないか?


 次は鎖かたびらがアナに話しかける。


「残念だな…君ならきっとローチの素晴らしさがわかると思ったんだがな…黒光りして大きくて、体液がほとばしる! ローチは最高だ! 君の制服は1年生だね、我々は2年生だ、ローチの事で困ったときはいつでも相談にのるよ、その時は訪ねてくるがいい!」


 今、明らかに下ネタぶっこんだよね!


 ゴキブリ先輩たちは肩を組んで去って行った。


「仲間っていいな!よし!みんな出てこい!私達も協力してローチを狩るぞ!」


 アナの誘いには誰ものらなかった。当然だよ!


 ばーか!



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