第六話 スライム狩りって楽しいのか?
「こっちだ!」
別れ道の右をアナが指さす。僕たちは、黄金スライムの2匹目のドジョウを狙って、スライムを狩りつくしている。
今は地下4層、3層までとの違いはスライムがなんと複数でてくる。道を曲がって少し進むと小部屋に2匹いる。
青と赤だ!
赤の方が少し動きが早い。
ババシュッ!
「秒殺」
モモさんがほぼ2匹同時に殴り殺す。そのあとには小さな光る石が残る。魔石だ。
アナの探知にたより、スライムを狩りまくった。それを容赦なくモモさんが叩き潰す。完全にオーバーキルだ。
「もう、狩りつくしたぞ」
アナが振り返る。顔がめっちゃつまんなさそうだ。
僕もつまんない!
「やっぱり、レアモンスターいないわね」
サリーもつまんなさそうだ。
そりゃそうだ。
スライム出る。
潰す。
魔石拾う。
また出る潰す拾う。また出る潰す拾う。また出る潰す拾う。また出る潰す拾う………
ただその単純作業の繰り返しだ。
スライムはただぷるぷるしていて、たまに跳ぶくらいの芸しかないし。
さっき見つけていた地下への階段を降りる。次は地下5層だ。なにが変わるのだろうか?
「スライムって美味しいのかな?」
アナが赤いスライムを見て呟く。5層に来て変わったのは、結構スライムが出る。ただそれだけだ。
「美味しいなら店に並んでいるはずだ」
面倒くさいけどこたえてやる。歯が溶けたりしたら可愛そうだ。人として。
スライムを倒して魔石を拾う。
「誰にも遭わないな?」
僕は疑問を口にする。
「そりゃそうよ、5層までは地図も売っててみんな最短距離で降りるし、新入生でも、狩り場は6層以下よ」
サリーが僕の隣に来て答えてくれる。
「それより、マリー、脱げ!」
アナが僕の肩を掴む。
「お前何を言ってんだ?頭がスライムになったのか?」
「スライム飽きたんだよぉ!だからお前のスライムをもんでスライム納めにするんだよ!」
僕はサリーの陰に隠れる。
「いつも、なんで僕なんだ、他の人で我慢しろ!」
「他ではダメなんだ!お前のスライムには癒しがある!ほっこりあったかい気持ちになれるんだ!」
「シェイド!助けて!」
「はうっ!」
アナは僕の影に吸い込まれていく。退屈でアナがラリって来たことだし、もう帰りたい!
地下への階段はすぐに見つかって、降りると中地下6層には移動用の魔方陣が幾つかあった。サリー言うには次はここに来れるらしい。テーブルや椅子とかもあり、公園みたいだ。なんか大した事してないのに無駄に疲れた。
きりがいいとこだし、今日はここまで、僕らは帰還した。