第四話 金色のスライム
「さすがに、もう追いつかれないんじゃないか?」
僕はサリーにしがみつき話す。さすがにずっと同じ体勢はきつい。しかも乗り物酔いっぽい。サリー酔いだ。ふらふらする。
「そうね、アナはめっちや方向音痴だし、もう大丈夫でしょう」
僕はやっと地に足をつけるが、少しふらふらする。
「大丈夫?」
「どうも乗り物酔いしたみたいだ。サリー酔いだね」
「マリーちゃん。好きなだけあたしに酔ってもいいわよ!」
サリーは抱きついてくる。
二人っきりだから容赦ないな!
ま、嬉しいけど。
ゴゴゴゴゴゴッ!
何かが地響きを立てて近づいてくる。
見ると丸い岩みたいなものが転がってくる!
「マリー!サリー!影に入れ!」
シェイドが僕の影から顔を出す。僕たちはシェイドに引かれてシェイドの部屋に入った。紙一重だった。昔聞いたことがある、ムチをもった考古学者の話みたいだった。
「罠はないんじゃないのか?」
僕の問いにサリーは首をかしげる。
「なんかのイレギュラーだと思うわ。とりあえず外に出ましょう」
外に出ると影の少し前に岩の球は止まっていた。何なんだ?
バムッ!
岩は弾けると手の形になって僕とサリーを掴んだ。
「サリーとマリーちゃん確保!」
岩の中からアナとモモさんが飛び出して来た。
そうか。モモさんの巨人の手を前の雪の中みたいに球状にして転がってきたのか!
「で、お前達はダンジョンでなにしてたんだ? 二人で抱き合って?」
アナが僕たちに詰問する。巨人の手はもう消えている。
「それは、当然愛を確かめあってたのよ!」
サリーは真顔でこたえる。
冗談に聞こえないよ!
「生活費を稼ぎに来たんだよ!」
話が進まないので、僕が答える。
「そうか、お前達貧乏なのか。けど、これからの稼ぎは山分けだな。パーティーだからな」
ちっ!
以外にアナ、しっかりしてるな。
「けど、これまでに手に入れたものは、あたしたちのものよね!」
サリーはそういうと、収納からさっきの銀色の薬を出す。
「何だそれ?」
アナはサリーから薬を取ってしげしげと眺める。
「銀色のスライムのドロップアイテムよ!けど、鑑定するお金と税金がかかるから、アナたちもお金稼ぐのに協力して!」
「そうか、税金はらうのが面倒くさいのか、それなら飲めばいいじゃないか!」
そういうと、僕たちが止める間もなく、アナは瓶の栓をとり銀色の液体を一気に飲み干した。
「これにて、1件落着!」
「落着しとらんわ!」
ついつい叫んでしまう!
せっかくのレアドロップが…
「おっ!これはいいな!今いる階層の敵のいる所が大体わかるようになったみたいだ!」
アナが興奮して大きな声をだす。
「と言うとこは、敵探知のスキルポーション!大金貨10枚は下らなかったのにー…」
サリーが肩をすくめる。
「大丈夫だ!レアモンスターはこの階層にもう一匹いるから!」
アナが笑顔で言う。
まじか!
もう一匹いるのか!
「過ぎた事はしょうがないわ。アナ、案内して!」
おお、さすがサリー立ち直り早いな。
僕たちはアナに半信半疑でついていく。
着いた先には…
なんと!
神々しく光り輝く金色のスライムがいた!