第三話 聖女、初めてスライムと戦う
「5層までは、罠もないし、出てくるのはスライムだけよ。落ちる魔石もしょぼいし、ドロップもほぼないわ。けど、金と銀のレアスライムを見つけたら狩るわよ。いいもの落とすらしいから」
サリーは息も切らさず、僕をだっこしてダッシュしていく。なんだかつまんない…
「サリー、スライムと戦いたい!」
「しょうがないわね。わかったわ。次でてきたら降ろすわ」
果たしてありがたい事にすぐにスライムは現れた。
お饅頭みたいな形で1メートル位の大きさで体は水色をしている。デフォルトな奴だ。
僕は初ダンジョンなので、生まれて始めてのスライムだ。なんか可愛い。とりあえず手を伸ばし触ってみる。ぷるぷるしてる。うん、ぼくの胸みたいな感触だ!
「おお!」
僕は感激に包まれる。
なんかめっちゃ愛おしくなってきた。
けど心を鬼にして!
「マリーパンチ!」
ぷるるん!
まったく効いてないような気がする。
ぽよーん!
スライムは飛んできて、僕はのしかかられる。う、以外と素早い。
バシュッ!
サリーが蹴り飛ばし壁にあたって弾ける。今見えたよサリーのパンツが白だったな。
「忘れてたわ。マリーちゃん攻撃能力皆無だったわね…」
攻撃力皆無とは失礼だなぁ。
「まて、サリー。僕には必殺のマリー銭投げがある!」
「じゃね、もう…あと一匹だけよ」
またサリーに抱えられるが、果たしてすぐにスライムが見つかった。
なんと銀色をしている!
「ま、マリーちゃん!銀よ銀!」
サリーのテンションが上がっている。
「グラビティ・ゼロ!マリー・ブレッド!」
僕は右手の親指で無重力化した銅貨を弾く!
あやまたずシルバースライムを貫通させる。
スライムは消えて、その後には瓶に入った銀色の液体が残った。
「マリーちゃん。やったわね! 多分、レアな魔法薬よ。だけどね、さっきブレッドっていったけど、ブレッドってパンのことよね? いいたかったのはブレット、弾丸よね」
僕は顔が真っ赤になるのを感じた。今まで、弾丸のこともブレッドだと思っていた!
「ありがたいけど、困ったわね」
「ん、何が?」
「ダンジョンの中でのドロップ品の買い取り額の1割は学園に納めないといけないのよ。あと鑑定にもお金がかかるし、この薬が自分たちに使いたいものだったら赤字になるのよ。多分、アナたちは追っかけてきてるわ。引き離したいとこだけど、これからはモンスターを狩りながら稼いで行きましょう」
「わかった! 僕も足手まといにならないようにするよ」
「エンカウントするまでは、今まで通りで行きましょう」
僕はまたお姫様抱っこされる。まあ、いいけど、あたるんだよね。
サリーの胸が!
そうこうしてるうちに階段を見つけて下に駆け下りる。
地下2層突破!