第十七話 ギル王子との交渉
「サリー!麻痺だ!」
僕は咄嗟に叫ぶ。
「了解!」
『スタンジャベリン!』
サリーとシェイドの声が完璧にハモる。二人の手から出た光の矢が、サクラとギル王子に突き刺さる。
「シェイド。部屋に確保してくれ!」
「了解よー」
立ち上がった僕の影に二人を放り込む。
「よし、終了。まさか、ロザリオがそんなに役にたってたなんて」
僕は脱衣所でロザリオを付けて、また浴槽に戻る。
「よし、やっとこれで水着を脱げるな」
アナが水着に手をかける。瞬時に脱ぐがシェイドが瞬時にアナの後ろから抱きついて、大事な所は隠した。咄嗟だったので、何も見えなかった!
少し残念だけど、安心する。
「アナ。止めてくれ。心臓に悪い!」
こいつは痴女なのか?
裸族なのか?
まあ、両方だろう。
「そうよ。ルール決めたでしょ!マンツーのとき以外は脱ぐのは禁止って」
何だ。その危険極まりないルールは!
「サリー。二人きりの時こそ脱ぐのは止めて欲しいのですけど…」
こいつら二人きりになるたびいつでも何処でも脱ぎそうで怖い。
「ん、サリー!この後マリーをいつも通り悩殺して揉みしだくんじゃないのか?」
ん、いつも通り?
む、揉みしだく?
「お前たち、僕が気絶するたびにそんな事してたのか?」
僕は顔が熱くなる。恥ずかしすぎる。女の子同士でも。ああ、強くなりたい!
彼女たちの裸を見ても逆にがん見できるように!
「え、今からマリーちゃんを気絶させるんじゃないの?」
モモさんの声に横を見ると、赤い水着がぷかぷか上下とも浮いていた。
ということは?
その横にはモモさんが両手で胸の先だけ隠していた。
ぶぶっ!
裸族がもう1人…
油断してた。完全にやられた…
僕は鼻血を噴き出し、瞬時にして風呂の中に沈んでいった…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「すまないが、俺の花嫁を返してくれないか?」
ギル王子は椅子にふんぞり返ってのたまう。
ここはシェイドの部屋だ。僕はもう慣れたもので気絶からはすぐに回復した。
サリー、シェイド、モモさん、アナ、それと王子とサクラがいる。腐っても王子、拘束はしていない。
「何言ってやがる!お前の花嫁はサクラでいいだろう!」
僕は立ち上がった王子に手を掴まれに引き寄せられる。
「俺と結婚しよう!不自由させはしない!」
「まずは落ち着いて座れ!発情しやがって見苦しいぞ!」
アナが僕たちの間に割り込む。いつも発情してるのはあなたではないのでしょうか?
「わかった!いくらだ!いくら出せば手を引いてくれる?」
王子は座って手を組む。横着だな。
「マリーは私達の大事な仲間だ!まずは、同じ大きさの胸の者を連れてこい!容姿は少しは多めにみてやる!」
アナも王子の正面に腕をくんで座る。
「アナ、お前にとって僕の価値は胸しかないのか?胸が大きければだれでもいいのか?」
アナの姿がぶれて消える。
「ギャア!」
僕の胸がダイレクトに掴まれる。後ろにアナが!
「王子!これと同じものを持って来い!満足出来たら考えてやる!」
ぶぶっ!
王子が鼻血を吹き出す!
こいつピュアなのか?
「サンドリバーは尚武の国、王城には女性がいないのです。耐性はひくいのですが、反動で女好きになったのですよ!」
サクラが解説してくれる。
「お、俺も同じ感触のも、ものを探すために、さ、さわってもいいか?」
「王子!ダメです。キャラ壊れてます!」
サクラが王子のお尻をつねる。
「すまん!我を失うとこだった!」
「お前完全にいまうしなってたぞ!アナ、そろそろ止めようか!」
アナから解放されて、王子の前に座る。パンツがギリギリ見えないように足を組むと、王子の視線が動いたのがわかった。
まる分かりだな!
面白いけど、自分も気をつけよう!
「すまないが、もう式の招待状を配りまくっていて、やっぱり止めましたでは終われない状況なんだ。結婚しなくてもいいから、誰でもいいから式だけでも出てくれないか?」
王子が頭を下げる。せっぱなんだろう。
「それなら、選択肢を出すからお前が選べ!」
アナが満面に笑みで口をだす。絶対よからぬアイデアだろう。
みやびからのお願いです。
「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、
広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、
ブックマークの登録お願いします。
執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。