第十三話 地獄の後始末
「もうわかったから、頭上げて、けどー、現状復帰はよろしくね!」
泥人間が僕たちに言う。口角が上がっているので、多分笑ってるのだろう。
「お前が汚したから、お前が綺麗にしろよ!」
「えー、僕だけでは無理ですよ。手伝ってくださいよ」
イカが即答する。
「マリーちゃん!」
モモさんが僕をじっと見る。
「解りました…」
「それよりも、僕らはどうしよう、銭湯とか絶対入店拒否だよ…」
ロロがため息をつく。うん、どうしよう?
「シェィド!」
僕は自分の影の方に問いかける。
「嫌!臭いから嫌!」
影からシェィドが鼻を摘まんで頭だけ出している。転移がとけたから、また僕の影にシェィドは戻ったのだろう。
「シェィドだ!今は僕の影に住んでる」
ざっくり紹介する。それだけで、納得して貰えたので、三姉妹の非日常に慣れてるっぷりがよくわかる。
「頼む、シェィド汚いかもしれないが、学園のモモさんのお風呂にこいつら運ぶの手伝ってくれ」
汚いの言葉に三姉妹は傷ついたようだ、うなだれてる。いかんいかん女子に汚いは!
「せめて、もう少し綺麗にして、あと、そのあと部屋を掃除して。サリーが水の魔法使えるから替わるわ」
「イカくっさ!地獄!」
サリーに替わるなり、サリーはひどい顔をする。僕らは麻痺ってるけど、鬼のように臭いのだろう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
サリーに詳しく事情を説明した。
「マリーちゃん、見ちゃだめよ!」
サリーは僕にに目隠しをして、三姉妹を洗浄してると思われる。ちなみにイカは汚れがすくなかったので、先に影に収容されている。
目隠しを取ると、バスタオル一丁の三姉妹がいた。最低限、墨は落ちている。
「こきたねー!」
いかん、つい本音が!
三姉妹のパンチが僕にのめり込んだ!