第二十六話 レストランでの食事
次は、洋服屋さんでしばらくモモさんの洋服を見て、そのあとスタイリッシュなレストランに入った。ドレスコードありだったけど、学園の制服でOKだった。
メニューを見て、前菜にバーニャカウダと魚介のカルパッチョ、なんとエスカルゴがあったんでそれと、Tボーンステーキを頼む。飲み物はノンアルコールワインを勧められてボトルで貰った。
オーダーしてモモさんが御手洗に立ったとき、僕の影からシェイドが顔だけを出した。
「いいなぁ…デートいいなぁ…サリーもデートしたい!アクセサリーほしい!」
シェイドとチェンジしたサリーなのか?
「サリー!ウニをけしかけただろ!」
「だってぇ、サリーだってやきもち焼くんだもん!」
シェイドの姿のサリーは口を尖らせる。可愛いなぁ!
「もしよかったら、今度僕とデートしてくれないか?サリー」
「もちろん!もちろん!喜んで!じゃ、戻るね、楽しんでねー!」
サリーは影に戻った。僕はサリーに対して配慮が足りなかったな反省だな。
前菜を食べて、僕の大好きなエスカルゴがきた。
「わ!カタツムリ!」
モモさんが目を丸くする。
「さざえみたいな感じだよ」
僕は先にいただく。ブルゴーニュバターだ旨い!
ブルゴーニュバターとは、バターに刻みパセリとニンニクを混ぜたものだ。簡単でおいしい。ロブスターとかのディップソースにもいいし、パンに塗って焼いて食べてもおいしい。普通に炒め物でもいける。
「おいしい!」
食べたモモさんの目が見開かれる。グッジョブだ!
次はメインのTボーンが出てきた。Tボーンステーキとは、T字型の骨をはさんで片方がヒレ、片方がサーロインという超贅沢なステーキだ。外れ摑まされたりしたら、やたらヒレが小さかったりする。そんなときは、即、チェンジだ。あと、焼くのにコツがあって、肉が程よく焼けても、サーロインについてる脂が焼けにくいので、肉をトングとかで縦にもって、脂だけ焼くといいあんばいになる。脂が白っぽいと生焼けで石鹸みたいで美味しくない。サーロインステーキにも言える事だけど。
僕たちの所に来たのは、素晴らしいできだった。僕は肉を切り分けてモモさんに取り分けてあげる。ワインも運ばれてくる。ワインはミディアムボディの多分カベルネだ。うん。
マリアージュ!
肉がワインをワインが肉を引き立てる!
アメージング!
ちなみにワインを飲む時は男はグラス自身を摑むべし、細い脚を指先でつまんでたら、女の子っぽいので格好よくない。
「すごく!すごく美味しい!キラさんって、ほんとにあたしと同い年なの?博識だし、堂々としてるし、いい意味で貴族みたい!」
ノンアルのはずなのに、モモさんの顔は上気している。高校生なのに色っぽい艶がある。
パンをちぎって食べながら、肉とワインを愉しむ。少しパンくずがテーブルに落ちるが、そのままでいい。ウェイターさんがやって来て、水切りみたいなので掃除してくれる。
全体的にレベル高いな。まるで貴族様になった気分を味わえた。
この店は気に入った!
食べ終わり、コーヒーが運ばれてくる。料理はフレンチ風だったのに、コーヒーは酸味が少ないイタリア風だ。これは僕的にポイントが高い!けど、フランスとかイタリアとか聞いたことの無い国の事をなんで僕は知っているのだろう?
モモさんが御手洗に立ってる間に会計を済ます。ジェントルマンのたしなみだ。小金貨2枚位だったけど、僕は満足だ。
店を後にするが、会計スルーにモモさんは驚く。
「あたしも、お金だすわよ」
「ん、誘ったのは僕だからいらないよ」
僕は心は益荒男だ!女性にお金は払わせない!
「キラさんみたいな、お兄さんほしいな!」
モモさんが僕の手にしがみついてくる。お兄さんか…
「今から、実家に来て!家族に紹介したいから!」
え、僕の頭はパニックになる。なんか腕にはおっぱい的なものが微かに触れてるし、家族に紹介?結婚を前提にしたお付き合いなのですかー!もしかして、わたくし大人の階段を今日登ってしまうのですかー!
パニックで、どこをどう行ったかもミジンコも覚えていないまま、僕はモモさんの実家に到着した。純和風の邸宅だ。
モモさんに、手を引っ張られて、中に入っていった