第二十三話 みんなで登校
「マリーちゃん、涙、どうしたの?もう、泣いてばかりなんだから」
サリーは僕の涙を人差し指で拭うと、僕の頭を胸に抱く。そして撫で撫でしてくれる。
柔らかいでも苦しい!
窒息する!
「ぷはっ!死ぬかとおもった!」
僕は涙目になってるようだ。
「まだ、足りないのかな?」
サリーがリハグしようとする。
「まって、息できないから、それでだ」
「もうっ、泣いて馬鹿なんだから」
アナが僕を抱きしめようとする。ちょびディス入ってなかったか?
避ける!
避ける!
避ける!
「私のハグはいらないのかーっ!戦神降臨!」
「シェイド!へるぷ!」
僕は影に逃げて事なきを得た!
多分アナはノーブラだ心が持たない。
「おはようございます!マリー様!」
シェイドの部屋の床にウニが縛られて転がってる。児童虐待だ。
「おはよう!マリー!」
次はシェイドが抱きついてくる。今度は僕の胸に顔を埋めてる。
「うりうりうりうりうりうりうりうりうりぃ!」
「うりうりは止めてーっ!」
うりうりは止めて欲しい。くすぐったすぎる。
フレーメン反応をしてるシェイドとあとウニの梱包をといて、サリーの部屋に戻る。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「というわけで、こんな夢をみた訳だ!」
僕は夢の内容を逐一話した。
「ウニ!消えてみろ!」
ウニがスーッとかき消える。
「ディスペル!」
ウニが現れる。短時間の間に、サリーの前でかがんでいる。パンツ見てたのか?本人は見えてないつもりでいる。なめ回すように見てやがる!
「この!エロガキッ!」
当然サリーに踏みしだかれた。
「ロストマジックのディスペル…」
サリーが驚いている。失われた魔法なのか?
「聖属性の魔法は使える者が少ないのに、複雑だから、継承されにくいのよ。地味だし」
キター!
サリーの解説!
サリーはおばあちゃんみたいに物知りさんだな。
これでマリーの魔法のレパートリーが増えた。タッチヒールとホーリーライトとアンブロシアとディスペルだ!
なんか地味なのばっかだな。
「ロックバレー、サーレ、ハリケーン、ラファエル。図書館で調べてみるわ」
サリーはメモする。
「私は、教師たちに聞いてみるよ」
アナもメモしている。アナなのに。
そんなこんなで、朝食をとって、僕らは制服に着替える。エンブレムが僕だけ薄茶色だ。みんなゴールドだ。なんか腹立つ。
「ウニ、お前はなんでゴールドなんだ?」
「当然じゃないですか!子供相手だったら僕は無双です!」
なんかむかつく!
「大丈夫よ。あたしも同じ色注文してるから」
そう言えばサリーも同じクラスに移動したんだな。
よく見ると、なぜか、シェイドも制服を着てる。
「シェィド、なんで制服?」
「シェイドとサリーは一心同体。いつもはマリーの影の中でマリーを守る」
そうか、シェィドもついてくるのか。
僕たちは、学園に歩いて行き、各々の教室へと向かった。