第十八話 どんでん返し
「異議ありっ!」
サリーが叫び、拡声器を手にしたままリングに飛び込む!
「アルス!勝負!」
サリーがアルスに殴りかかる!
そのパンチをアルスが受け止める!
アルスの手は灰色だ。
サリーは少し後ろに下がると、助走をつけてアルスの顔に一撃放つと見せかけて、ボディブローを放つ!
インパクトの瞬間アルスのお腹は灰色の石化するが、お構いなしでサリーはぶん殴る。アルスは無残にぶっ飛ばされる。
場外だ!
サリーは拡声器から叫ぶ!
「勝者!サリー!見事マリーちゃんを手に入れたー!」
サリーは自分で言い右手を突き上げる!
僕はサリーの下に駆けつける。サリーは僕の脇の下に手を入れぐるぐるする。そして僕を抱きしめる。
いつの間にか拡声器を奪ってアナが口を開く。
「なんと!勝者サリー!いままでの茶番はなんだったのでしょうか?百合!百合の勝利です!なんて不毛な闘いだったのでしょうか!」
「百合ちゃうわー!」
僕はあらんたけ叫ぶ!
斯くして闘いは終焉を告げた!
サリーありがとう!
一番平和に解決したと思う!
王子はしょんぼりとして去り、アルスは石化している。
「アルス!行くぞ!」
僕が声をかけると瞬時に蘇生した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「お前、食べ過ぎやろ!デブになるぞ」
今僕たちは学食にいる。アルスは軽く10食位食べている。アナとサリーも一緒だ。
「すまない!久しぶりの人間らしい食事で、あと、俺は無一文だ!」
僕はアルスの分の大金貨20枚を渡す。
「なんだ、この大金?」
「お前が倒したゴーレムの分だよ」
「えー!まじか!ゴーレムってそんなに高くうれるのか!それはそうと、孤児院と俺の妹はどうなったんだ?」
「ん、妹って誰だ?人間か?」
「マリーちゃん。失礼だな。リナだよ、シスターリナ!」
「え、兄妹なのか?リナはうちで引き取ったぞ」
孤児院に関するしかじかを、当たり障りのない範囲で説明した。
「そうか、迷宮都市サーレって所に今いるのか。マリーちゃんがお母さんって事は、俺はお父さんだね。ああ、満腹。ではお休み!」
そう言うとアルスは石になった。お金と一緒に…
僕はやむなくお金を払い、アルスを放置した。
また、厄介事だけ増えた気が…けど、アルスが無事?で何よりだ!