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第十四話 王子との決闘


「お前が代役か!私の名はギルフリード。サンドリバーの第一位王位継承者。サンドリバーの名にかけて、貴様を倒す!悪く思うなよ」


 ギャラリーから声援が飛ぶ。


 ギル王子は赤い髪を掻き上げると、ブレザーを脱ぎ後ろに投げる。それをおかっぱ頭がたたらを踏んでキャッチする。


「お初にお目にかかる。私の名はキラ・シドー。今日からここで世話になる。クラスは竜戦士ドラグーン!未だ竜ドラゴン討伐はなし得てないが、王子、貴方と言う竜を地に這わせよう」


 僕は王子を指差す。僕にも声援が飛んでくる。少し嬉しい。


「キラ!頑張って!」


 サリーの声も聞こえる。心強い。


 決闘場は、ローマのコロッセオを小さくしたような型で、中央に丸い石のリングがある。そのリングに僕たちは立っている。ギャラリーは多い。2・3百人はいるのではないだろうか?

 知った顔は、アナとモモさん、あと学長先生も見える。


「決着は、どちらかが降参するか気を失うかリングアウトでいいかな。あと、もし死亡したときには、全快の魔法が発動するが、そのときには大金を払って貰うからな」


 体育教師と思われるなジャージのおっさんが説明する。僕たちは頷く。


 おかっぱ頭が長い木の杖と木刀を持ってくる。


 王子は杖を取り、必然的に僕は木刀を取る。


 体育教師とおかっぱ頭がリングを降りる。


「結界作動。ではデュエルスタート!」


 王子は杖を槍の様に構え、僕は木刀を正眼に構える。


「セエイッ!」


 王子の鋭い突きが繰り出される。


 剣術三倍段!


 さらに槍術三倍段!


 無手より剣、剣より槍が強い事を例えた言葉だが、得てして妙だ!


 杖での長いリーチで突く逃げる、突く逃げるとされるだけで、同レベルでの戦いではワンサイドになってしまう。王子はそれを解って、危うげなく攻撃を繰り出す。


 しかし、間合い取りの戦いをするならば、槍よりもより有利なものがある。


 飛び道具だ!


「マジックミサイル!」


 僕の手から放たれた魔法の矢が王子に向かう。マジックミサイルは最弱の威力の魔法だが他の魔法には無い最大のメリットが有る。


 必中なのだ!


 目標に当たるまで飛び続ける。王子は身を引いて杖で叩き落とす。


「ほう!魔法も使うのか!」


 王子が笑う。


 普通の体術だけだったら多分こいつの方が強い。


「イグニッション・アクセル・ハンドレッド!」


 人ではあり得ない加速で王子の後ろに回り込む。王子の後頭部に軽く木刀で触れる。


「まだ続けるのか!貴方は真剣だったら首が落ちている!」


 僕は低い声で語りかける。


「何を寝言を言っている?これは真剣ではないし、ルールを思い出せ!俺の心が折れない限り、俺の負けは無い!」


「符術発動!魔力拡散呪!」


 リングの外で、おかっぱ頭が叫ぶ!


 なんだ?


 僕の持ってる木刀が急に熱くなる。見ると、柄の所に光る魔法陣が浮かびあがり、それが僕に吸い込まれて消える。なんだったんだ?


「アクセル!」


 ん、加速しない!


 魔力が魔法になる前に霧散する!


「マジックミサイル!」


 同様に発動しない!


「グラビティ・ゼロ!」


 スキルすら発動しない!


「木刀に符術を仕込んだのね!汚いわ!」


 サリーがおかっぱ頭を指差し、非難する。


 まじ、卑怯だと思う!


「戦いで、敵の出した武器を手にした不用意さを反省するべきでしょう!」


 おかっぱ頭が言い返す。言った者勝ちだな。


 顔は美少女なのに、いい性格してやがる。


「触れた者の魔力を集められなくする、符術です。キラさん、降伏した方がいいとおもいますよ」


 おかっぱ頭が、口に両手をあてて、拡声器みたいにして、僕に言う。全体的になよなよしてて女子力高めだ。キモい。


「何言ってやがる!まだ、勝負はこれからだ!」


 僕はおかっぱ頭に中指を立ててやる!


「サクラ!余計な事を!悪いが俺の背には我が国の無辜の民を背負っている。負ける訳には行かない!行くぞ!」


 王子は杖でがんがん突いてくる。かわし続けるが、魔力の暴走でくらくらする。


「貰った!」


 足がもつれた所に王子の突きが襲う!間一髪かわすが、王子の拳が襲いかかる!バク転して難をのがれたが、軽く頬にかすってた!


 やばい!


 変身してしまう!



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