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第二十二話 伯爵との謁見


「なんか、薄暗いっすね。臭いし気味悪いっす。イメージ牢獄みたいっすね!」


 マグロがキョロキョロ回りを見渡す。確かに暗いしカビ臭い。


 今僕らは城の応接室みたいな所で待たされている。僕と牛男はスーツ、マグロはベル用に作ったドレスをつめて着させている。僕達はフォーマル用の服も一応用意している。



 城門をくぐったらちょっとした町みたいになっいた。道なりに坂道を上ると城に着き、城の衛兵に連れられてその中の一室で待つように言われた。綺麗な外観とは裏腹に、城の中は窓が少なくむきだしの石造りでなんか薄暗い。

 お金がないのか、それとも装飾よりも機能を優先してるのだろうか?まあ、僕にとってはどうでもいいが。


 待つことしばし、僕たちは執事に広めな部屋に案内される。中央には玉座みたいなのがあり、そこにカボチャパンツみたいなのに、白タイツで、首にひだひだした物をつけて、王冠みたいなのを被った馬鹿王子様みたいな格好の人物がいる。


 その隣には、胸元がばっくり開いた赤いドレスのサリーがいる。


 とても、魅力的だ!


 けど、サリーのすました顔がなんか距離を感じても悲しい。



「予が、バーミング公、マキュロ伯爵である!」



 馬鹿王子様が名乗りをあげる。一応膝をつき、頭を下げ恭順の意を示す。マグロと牛男もそれにならう。


「面をあげよ!」


 馬鹿王子がほざく。


 サリー、あんなのと婚約したのか?


 結構顔はましだが、服のセンスなさ過ぎだろ。


 キモすぎる!


 あの格好はなんかの罰ゲームなのか?


 僕は顔を上げ、一応付き合ってやる。


「私の名前はキラ・シドー。しがない冒険者です。以後お見知りおきを」


「許す!お前は、吸魔のロザリオを持ってると聞いた。献上せよ!」


 何かといちいちむかつく!


 お前が何を許すんだよ!


 サリーの婚約者というのが最大原因だと思うが、まじ、ぶちのめしたい!


 苛立ちを顔に出さないようにして、僕は吸魔のロザリオを外し差し出す。


「サリーあれはお前のだろう。受け取れ!」


 馬鹿王子がのたまう。なんだ!


 その上から目線!


 まじで泣かしたろか!


 サリーがゆっくりと僕に近づいてくる。


 その間に僕はもう片方の手にベルから貰った水晶を隠しもつ。


 サリーがロザリオを取ろうとする手に触れる。



「…シームレス・ワールド…」



 小声で唱える。


 瞬時にして、僕とサリーは、ピンクの空の草原にいた。



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