表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

161/404

第十八話 聖女、マグロに襲われる


「お、お前!マグロなのか?」


 僕はおそるおそる前を見る。ほぼ裸の女性は僕には危険過ぎる。


 マグロ?は小さなタオルで前だけ隠して、僕に近寄ってくる。


 ありがたい事に腰から下は濁り湯で隠れてるが、魅惑的な上の方が見えそうだ…


 なんて言うか、言葉にうまくできないけど、健康的で、減り張りのある体にアンバランスな幼い顔。要はとっても可愛いのだ。


「マグロに決まってるじゃないですか!」


 少し掠れた感じの声もまたいい感じだ。


「なにいきなり大人になってんだよ!」


「大人の方がいいに決まってるじゃないですか」


 確かに、子供よりは大人のほうがいいが、いきなり入ってくるのは反則だ!


 といってもここは女湯だったか…


「さっきマグロに変身した時に、なんかまだやれる感があってですね、もしかして大人になれるかもって練習したら、結構簡単にいけたっす!」


「やれる感ってなんだよ?そんな簡単なものなのか?」


「まあまあ、そんなことどうだっていいじゃないですか。上手くいったんだし!」


 さらにじりじり近寄ってくる。僕は逃げる。距離感ない奴だな。


「マリー様の背中流すのに、子供ではちょっと失礼かなと思いましてね!」


 マグロは僕の隣に座る。押さえてたタオルは取れて、濁り湯で隠れてはいるが、胸の上の方は見えている。


「正直大人の方が失礼だわ!」


 僕はいたたまれず、視界に入れないようにする。


「あれ、マリー様、おかしいですね、照れてるんですか?女同士ですし、そんな布切れ取りましょうよ!ねっ!」


 マグロは素早く僕に抱きついてきて、タオルを取ろうとする。僕は抵抗するが残念ながらマグロの方が力が強い。


「ギルティ君!完全にギルティじゃないのか?」


 叫んでギルティ君を見る。


「はい、完全にギルティですけど、燃料切れです…」


 あ、何度もマグロにビーム出し過ぎたのか…


「観念してください。お宝いただきます!」


 とうとうマグロにタオルを取られる!


 マグロが後ろから抱きついてくる。背中に直になにか柔らかいものがあたる。やばい、すべすべで温かい!


 なんか後ろから抱きつかれてばっかだけど、やむなし!


 正面は無理無理!


「無念…時間切れ…」


 マグロがとても残念そうに言う。


 急に、背中の最高の感触がぬめぬめした最悪のものに変わる。そのおかげで失神は免れた。僕を抱いていた手も小さくなって解放される。


 タオルを胸にあてて後ろを見ると、手足の生えたマグロが横になってぷかぷかと浮いていた……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ