第十六話 またまた温泉へ
「では、行って参ります!」
マグロは、僕に敬礼すると、パンツを持ってベルにかけてるマントの中に潜り込んだ。ベルは寝てても手がかかる。
「残念ながら、暗くて余り見えないっす。いいにおいがするっす。任務完了!」
若干、耳目を集めてる気がするが、牛男のおかげで声をかけてくる人はいない。
ベルを背負って考えながら歩く。城にはキラで行きたいな、その方が速いから。母さんに魔力回復して貰おう。誰を連れて行くか?牛男とマグロでいいか、このあとすぐ行こうと思うし。ベルの護衛は母さんでいいだろう。
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孤児院に帰り、リナたちに挨拶してベルハウスに行く。孤児院の隣になんか建物をパペットマンたちが作ってるけど、今はスルーしとこう。ベルハウスのリビングには母さんがいた。
「ベルちゃん寝込んじゃったのね。母さんの屋敷でねかしときましょ」
謎扉をくぐり、廊下といくつかの部屋を通り寝室につく。
「母さん、ここはサーレって所なんでしょ、何処にあるの?」
「ここは、異次元にあるのよ。だから、異次元にあるベルちゃんの家と簡単に繋げたのよ。だから、ここを通ったら実家にすぐ帰れるわ、まあ、母さんの許可は必要だけどね」
お姫様が寝るような天蓋つきのふかふかなベッドにベルを寝かせる。本物のお姫様みたいだ。あ、本物のお姫様だったっな。
「眠り姫みたいっすね」
僕と同じことをマグロも思ってたみたいだ。少し恥ずかしい。
「けど、今、ベル様さわり放題っすね」
マグロがつんつんベルのほっぺをつつく。寝顔はまさしく天使だ。ベルなのに。
「マリーちゃん、襲ったら駄目よ。夜いつでもここまで案内してあげるから」
母さん、そんなに孫がほしいのか…
「扉は一応ベルちゃんの家につけとくけど、迷ったら帰れなくなるから、必ず案内のパペットと一緒に行動してね」
怖え、迷ったら帰れなくなるのか…
「それは、そうと、母さん、魔力を回復してほしい」
「ここにあるものでは、あの温泉しかないわ。じゃ、行くかしら」
「お、温泉!マリー様と一緒に入れるのですか?その怪物を拝めるのですね!」
マグロが食いついてくる。お前女だろ!
しかも幼女だろ!
「じゃ、母さんについてきて」
僕らはなし崩し的に温泉に向かう事になった。
嫌な予感しかしない。