第十一話 マグロとギルティ君
タイトル変更しました。よろしくお願いします。
「で、これから何するのかしら」
ベルが僕の手をきゅっとにぎる。
まだ若干意識されているのか、ベルを見ると目を逸らされる。赤くなってると思われるので、嫌われた訳ではないだろう。まぁ、手も繋いでいるし。
今、僕たちは横一列に並んで大通りを歩いている。
「ま、着いてから考えるとするか」
僕はベルに答える。やりたいことは沢山あるのだけど今は何から始めるか考える事に没頭したい。
朝起きて、みんなでご飯して、孤児院の事はリナと母さんと海鮮少年3人に任せて、まずは冒険者ギルドに向かっている。
クランの本部とかも行ってみたいけど、まずはマリーでもランクを上げないと。
僕は右手はベル、左手は牛男と手を繋ぎ、ベルは更にマグロと手を繋いでいる。4人数珠繋ぎは正直邪魔なのではと思うが、牛男のお陰で近づいて来る者はいない。
協議の結果、海鮮ズは毎日日替わりで1人づつ僕らについて行く事になった。今日はマグロがジャンケンで勝ち取った。まぁ、当然ながら野球拳ではなかった。
マグロはベルから受け取ったギルティ君を大事そうに抱えている。まだ、ギルティ君の事をただのぬいぐるみだと思ってるはずだ。
こいつは今日何回ギルティビームをくらうのだろうか?
ちなみにマグロは赤毛をポニーテールでまとめた、少しそばかすのある可憐な女の子だ。目がギラギラしてるのを除けば。
「あー、デリケートゾーンが塩でかぶれてかゆいー!」
おいおい、こいつ、いきなりぶっこんできやがった。
「マグロ。ギルティ!」
「あいあいあいあいあー!」
マグロにビームが刺さる。
耐えきれなかったのか、マグロはギルティ君を投げ捨てる。
ギルティ君はシュタッと華麗に着地する。
「何!この危ないぬいぐるみ!」
マグロはギラつく目でギルティ君を睨みつける。
一触即発の空気が流れる。
牛男がそれをなだめた。
「ギルティ君は、下品な事に反応して。ギルティビームを放つ。私でもかわせないほどのほぼ必中攻撃だから、今後は口は慎むように」
珍しく牛男が説明してくれている。
まて、あれは牛男もかわせないのか……
基本的に子供には優しい牛男だ。
もっとも、相手の中身は出歯亀変態女子だけど…
ギルティ君はシュタッと飛んで、牛男の手の中に収まる。なんかグレードアップしてないか?
このあと、懲りずに何度も何度もマグロはギルティビームをくらい続け、僕たちは思いの外時間が経ってからギルドについた。考え事はなにも進まなかった。