表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

147/404

第四話 月明かりの下で


「それ以上近づかないように!」


 近づいてくるベルを制する。


 僕は、浴槽の淵の石に座らせてる、ギルティ君を指差す。


 ベルは僕からすこし離れて座る。さすがにギルティ君は嫌らしい。


「マリーちゃんとこうして一緒にお風呂に入るのって何年ぶりかしら」


 母さんが、怪物を揺らしながら歩いてくる。むぅ、僕よりデカイ!


 年の功か!


 僕にギリギリ触れない位の所で座る。


「ところで、ここは何処なの?」


「どこだっていいじゃない。いい温泉があれば」


 母さんからは予想通りの答えが帰ってくる。説明する気なしだな。聞くだけ無駄だ。


「聖都の遙か遙か北のテーブルマウンテンかしら?」


 以外な事にベルが応える。


「ベルちゃん!何で分かったの?」


「昔来た事がありますから」


 ベルは母さんの前ではかたくなる。母さんなのに?


「テーブルマウンテンって、すごく遠くですよね? 何でそんな所に今いるのですか?」


 リナが疑問を口にする。当然だよな。


「それは、いい温泉があるからに決まってるじゃない」


 そう言うと、母さんは立ち上がって、風呂からあがる。


「あとは、せっかくだからゆっくりしときなさい。せっかくの露天風呂だから」


 母さんは扉を開けて出て行く。後に疑問だけを残して…



『それは、いい温泉があるからに決まってるじゃない!』


 母さんの声が頭のなかでリフレインする。なんか、してやられた気がする。


 何故、わざわざ遠くの温泉に連れてこられたのか?いい温泉という事はなんか薬効があるのではないか?


「マリー姉様、どうかなされたのですか?難しい顔なされて?」


 僕の前にリナが立っている!


 タオルには包まれているが、水に濡れたそれは若干透けている。


 締め付けたタオルが胸元を強調して魅惑的な谷間が出来ている。


 胸に手を当ててはいるが、おへそや、太ももはタオルが貼り付いて透けている。


 白銀の波打った髪からは水がしたたり、その赤と青の宝石のようなオッドアイが僕を見つめている。


 やばい!


 綺麗すぎる!


 まさに女神だ!


 その自信無さそうな表情が妹キャラを際立たせている。


 リナは、僕に近づいて隣に座る。


「この温泉すごいのかしら。ベルの魔力も回復してるみたいだわ」


 ベルの言葉で僕は気づいた。母さんの意図を!


 家族同然のベルとリナには僕の秘密を教えるべきだと……




 今までの経験則で、ある一定量の魔力、全快より若干少ないと思われる、がある状態で、女性を直に触ると僕は男に戻る。




 フッと、灯りが消える。僕たちを照らすのは月明かりだけになる。



 ここで、男に戻る、ないし戻らせられる事で、僕の事情を知る味方を増やせという、母さんなりのお節介なのでは?



 そういえば、僕の無尽蔵の魔力も回復してる感がある。この二人に秘密をばらしても問題ないのだろうか?


「なあ、ベル、もし僕が男の子だったとしたらどうする?」


 僕は月明かりの中、声の震えを押さえて問いかけた。



みやびからのお願いです。


「面白かった!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、


広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、


ブックマークの登録お願いします。


 執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ