第十四話 聖女絶体絶命！
「ベル、よりにもよって、なんでそんな際どいの着ているのよ…」
黒い布面積の少ない透け透けの下着。ベルの今の格好は正直裸と大差ない。あのハゲわざと選んだな。
僕はベッドのギルティ君を取ってベルに渡す。ギルティ君には合図したら、光線を出すように耳打ちする。ベルの護衛だ。ベルはギルティ君を抱きしめて立ち上がる。すらっとした足がとても綺麗だ。少しは体が隠れたかな。
ピアノの音が狂ったかのように鳴り響き、そしてまた戦いが始まる。
『アウト！セーフ！よよいのよい！』
僕はチョキ！
ルドラはグー！
「オオオオーーーーーーーーーーーーッ！！」
ギャラリーは狂ったかのような大盛況だ！
歓声はしばらく鳴り止まない。
「おおーっと！とうとうリーーーチ！」
「ついに、ついに、ブラジャーを脱ぐ瞬間がやって来ました！」
「では、皆さん！ご一緒に」
「おっぱい！」
『おっぱい！』
『おっぱい！』
『おっぱい！』
「脱げ！脱げー！」
『おっぱい！！』
全員のコールが会場を揺るがす。足踏みも入って、会場全てが揺れる。
ベルは、ギルティ君を置き、躊躇いなく胸を手でかくして、ブラジャーをとる。さすがだ、メンタル強いな。
「ウオオオオオーーーーーッ！」
会場が割れんほどの大歓声につつまれる！
ベルは天使、まさに地上に舞い降りた天使だ。
僕もつい息をのむ。
僕も意を決して後ろを向いてブラジャーを外す。両手で胸を隠す。いかん、でかすぎるので、片手じゃ無理だ！
『ウオオオオオオオオオオオオーッ！』
凄まじい歓声だ！耳が痛い！
会場全ての視線が僕に刺さる。気圧される。僕は男だから大したことないと思っていたが、正直なんか恥ずかしくなってきた。
「ほう、どうやってジャンケンするのかな！選手交代かな？」
ルドラがよだれを垂らしながら僕を見る！きもすぎる！
「マリー！ステージの後ろを向くのかしら！」
言われたままにすると、後ろからベルが抱きついてくる。背中に小さな膨らみがあたる。そして、その小さな手を僕の手の下に潜り込ませる。
「必殺ベルブラジャーよ！」
何とか、大事なとこは隠れているが、ベルの手が僕の胸にうずまって、それはそれはやばい光景だ。あと、僕も背中を意識したら、もっていかれそうだ！激しく動かないようにしないと…
「なんと！なんと素晴らしいのでしょう！今宵！私達はこの世に生まれて来たことを感謝してます！勇者ルドラ！天使と女神を倒すのかー！では、次、いってみましよー！」
次は負けられない！
なにがあっても！
