第七話 ギルドへ向かう
「天使って、マリーさんたちですよね!」
ご飯を食べ終わったリナが僕の方を見て微笑む。
「どうだろうね」
僕はとりあえず濁しておく。
あの後、孤児院でみんなで寝て、僕は早く起き出し朝食を作った。サラダにパンと目玉焼きという、簡単な物だが、23人分なのでリナと年長孤児二人に手伝わせた。そして今食事中だ。
みんな大満足だ!
よきかな!よきかな!
リナの話では、街は天使の話で持ちきりだそうだ。昨晩の事は、天使の奇跡になったみたいだ。天使が降りてきてその聖なる光で、スラム街を癒したということで落ち着いたらしい。光につつまれたものは人、動物、植物全てのものがふくよかになったそうだ。しばらくは、食べ物に困らないし、争いも減るだろう。その天使には捜索願いが出されて、このままだと、多分懸賞金もつきそうだということだ。賞金首みたいだ。
僕は、リナに大金貨五枚渡し、色々買うように指示した。リナは涙を流して喜んだ。リナの能力を試してみたいけど、今日はシャングリラという所にカチコミする予定なので、それは後日。
とりあえず、宿に戻り、馬車だけ預ける手続きをする。従業員に聞き、冒険者ギルドを目指す。色々噂を聞いたり、シャングリラについて調べたいし。
サリーの事も気になるが、まずは孤児院問題を解決しないと。
僕たちは、手を繋いで冒険者ギルドへ向かう。
「マリー!キョロキョロしないのかしら!田舎者に見られるわ!」
ベルが、僕の手を強く握る。
「しょうがないだろ。実際田舎者なんだから」
僕たちは、聖都の冒険者ギルドの前に立っている。
ギルドは大通りを道なりに凱旋門をくぐり、真っ直ぐ行き着いた先にあった。
学校とかのグラウンド位の石畳の広場の中央には、つなぎ目のないガラスのようなピラミッドがあり、広場を囲むようにコの字型の建物が立っている。建物は、まるで宮殿みたいだ。
広場には幾つもの露店があり、その内の一つの串焼き屋台で少し買ってギルドの受付は何処か聞いた。
受付は中央の建物で装飾の多い両開きの大きな扉を開けてそこに入る。中は大広間で天井は高くキラキラしたシャンデリアが幾つも下がっている。真ん中は道になってて、それを挟むように幾つもの円卓があり、空いてるところは数えるほどしかない。
老若男女、たまに亜人もちらほら、思い思いの武装している。酔ってる人もいるのだろう。喧騒に包まれている。僕たちが入っても誰も気にとめない。珍しくもないのだろう。
奥は受付で、ずらりと受付嬢が並んでいる。聖都のギルドは大きいとは聞いていたがまさかここまでとは!
大陸一と言われているのは本当だろう。
回りの人々に対して、僕らの装備は場違いだ。僕は相変わらず、ダボッとしたワンピース。これが楽でいい。ベルは赤いひらひらしたドレス。謎素材で、破れたのをみたことがない。牛男はタンクトップにニッカポッカみたいなズボン。トビ職人みたいだ。牛男はタンクトップは腕を動かしやすいから好きらしい。要は僕らは普段着だ。
けど、自信がある僕たちのパーティーはこの中で多分最強だ!
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