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第六話 禁呪発動


「無残なものだな」


 僕は呟く。僕たちはスラム街のだいたい中央にある、崩れた鐘楼の一番上から街を見下ろしている。風がマントをなびかせる。僕たちは、銀色のマネキンのような道化師の仮面にフード付きのマントといういでたちだ。


 子供達を満腹にしたあと寝かしつけて、僕たちも少し寝て、魔力が回復した夜半このスラム街の中央にいる。


 がりがり痩せた者ばかりの言葉通り地獄のようなこのエリアが僕には許せなかった。


 天国に変えてやる!


 何で鐘楼に登ったかというと、やってみたかったからだ!


 月明かりの中高い所にたたずむ主人公!


 物語のワンシーンみたいだ、自己満足で正直ただの無駄だけど。


 聖都の中央の方は光に溢れているが、僕らの足下にはぽつぽつと数えるほどしかない。


 この聖都の貧富格差は、ここが合議制ゆえの対応の遅さによるものらしい。


 数年前まではここまでひどくは無かったけど、街自体も干ばつの被害を受けてて、その応対が遅遅としてるからだそうだ。


「行くぞ!」


 僕はベルと牛男の手を取り、マントをなびかせて音もなく地上に着地する。


「ベル好きなだけやってしまえ!威力より、範囲を広げてくれ!」


 僕はベルに命ずる。


「わかったかしら!全力でいくわよ!」


 ベルは僕の手を握る。


「合体超魔法!平和な世界(ピースフル・ワールド)!!」


 ベルの手から白い光が発せられる。ん、爆発しない?


 僕はベルに渡す魔力の出力を上げる。



 キュィーーーーーーーーン!



 辺りの空間が軋み高い音が響き、何かが割れたような音がして、僕の首からロザリオが鎖が外れて落ちる。


 それを牛男が拾う。


 あ、ロザリオ付けて、魔力セーブしたままだった!


「やばい!やばいのかしら!マリー!」


 ベルが叫ぶ!


 ベルの手から出た光が膨れあがる。


「牛男飛ぶぞ!グラビティ・ゼロ!!」


 牛男が僕とベルを掴み大地を蹴る!


 重力から解放された僕たちは、宙に飛びあがる。


 間一髪間にあった!


 僕たちの足下で、光がドーム状に広がる。それを見ながら僕たちは、夜空を漂っていた。


「綺麗かしら!」


 ベルが目をキラキラさせている。


 牛男と僕は無言で光を見守った。


 今宵スラム街が優しさに包まれた。



みやびからのお願いです。




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