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第一話 約束の寺院を目指して


「じゃ、またね。助かったわ、ありがとう」


 モミは、僕たちに別れを告げると、馬車を降りて、大通りを歩いて行った。少し寂しいけど、また、すぐに会えるだろう。


 今僕たちは、ゲートのの先の大通りにいる。ずっと先にはアーチ状の建物が見える。凱旋門だ。懐かしいな。


 ここには、キラが所属してた最強のクラン『セイクリッド・マローダー』の本部がある。あと、大陸の冒険者ギルドの本部もある。要は世界の中心だ。


「帰ってきたな…」


 僕は辺りを見渡す。


 まずは宿を探そう。通行人に馬車OKの宿について聞く。おっさんだったけど、僕の胸ばかりみてやがった!いたしかたない。


 さっき聞いた大通り沿いの宿について、馬車を預け、とりあえず宿のレストランで昼食を取る。パンとスープを食べたけどなかなかだった。


 まず、するべき事は、アルスの用事を済ませる事だ。


 サンマルコ寺院のシスターにネックレスと袋を渡す事だ。


 宿の従業員にサンマルコ寺院の場所を聞くがいい顔をされなかった。


「若い女の子のいくとこじゃないよ」


 駄目出しされるが、牛男を指差す。


「強力なボディガードいますから」


「牛の獣人か、珍しいな。強いのか?」


「多分、この街で五本の指に入ると思いますわ」 


 僕はどやる。


「そうか、じゃ、安心だな」


 従業員のにーちゃんは信じて無さそうだが、地図を書いてくれた。む、わかりにくい。道くねくねだ。目印は書いてある。


「気をつけてな」


 にーちゃんの視線は僕の胸だ…


「ありがとう」


 僕は礼をいうと、宿を後にして大通りを歩き始めた。牛男とベルと手を繋いで。


「牛男、これ持っとけ!」


 僕は収納から牛男スペシャル斧を取り出して牛男に渡す。僕は重力操作で簡単に持てるが、常人では両手でも持ち上げられない。謎の超重量金属で出来ている。


 何故牛男を武装させたかと言うと、教えて貰った道を行ってると、城壁の門についた。やたら武装した兵士が守ってたけど、冒険者の認識票を出すとすんなり通れた。


 その外にも街は続いていて、サンマルコ寺院へ近づくにつれて、なんかどんどん汚くかつ、品性のない人が増えて来た。なんて言うか、スラムっぽい。


 僕とベルは仮面を付ける。


 きったねーおっさんに口笛吹かれたり、ジロジロ眺められたり、正直気持ち悪い。マスクはハロウィンとかで付ける、目のまわりと鼻が隠れる幅の広い眼鏡のようなのだ。


 これで、若干はましになった。牛男が睨むと誰もが身をすくめる。それによく見ると、牛男の首には鋼鉄の冒険者認識票が光ってる。いつの間に抜け駆けした?


 ちなみに、冒険者認識票は、下から、木、石、皮、銅、鋼鉄、銀、金、白金があり、普段見かけるのは、銀が最高位で、金とか白金とかは、ほぼほぼ、お話とかでしかお目にかかれない。だから、黄金認識票三人娘は、レア中のレアだったのだ。


「牛男、いつの間にランク上げたんだ?」


「申し訳ございません、恥ずかしい限りです。ダイエットしながら依頼をこなしてたのですが、せめて銀位になってからお見せしたかったのですが…」 


 牛男がしゅんとしてる。少しかわいい!


 戦闘能力でいえば、今の牛男は白金はあるだろう。黄金三人を鎧袖一触の猛者だから。けど、四ランクを2週間で上げてるのは凄い。僕は未だに木なのに…


「ベルのも見せてあげるかしら!」


 ベルも認識票を出す。なんと銅だ!


 僕はショックで、しばらく口を聞けなかった…


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