第十七話 やっと町を出る
「ヒャッハー!ここは通さねぇぜ!」
また、モヒカンだ、収穫する。小金貨役三十枚。
「ヒャッハー!有り金全部置いてきな!」
スキンヘッド、収穫、小金貨役二十枚。
ここにきて気付く。ここら辺、治安悪すぎじゃね。ここは主要街道のはずじゃないのか?
おかしい?
あ、ベルか!
御者台に座る、身なりのしっかりした絶世の美少女。
僕が野盗だったら、問答無用で狙う。お金持ってそうだし、すっごく高く売れそうだし。
僕は、ひらひらした服に着替え、モミはセクシーな服に着替えさせる。そして、ベルの横に座る。手広いニーズにこたえられるだろう。これでさらに加速するはず。
それからは作業だった、僕たちが釣る、牛男が捕まえる。治安維持と金策のため、僕らは頑張った。美人局の気分だ。
いつの間にか、町の入り口には盗賊対策本部のテントが置かれ、買い取りもルーチン化し、効率化されていった。
ハゲ、ヒゲ、モヒカンで、比較的モヒカンとか派手な奴が買い取り額が良かった。目立つ身なりをするためには実力が必要だからではないだろうか?
これで、一つ疑問が解けた。捕まった野盗とかが、この町で強制労働させられて、奴隷期間が終わり解放されて居着く。それでこの町はモヒカンが多いのだろう。
日も暮れかけてきたので、対策本部長さんとがっちり握手を交わし、今日はモミの住んでた所に泊まることにした。一日で小金貨二百枚位稼いで、モミに一割渡す。成功報酬だ。牛男を見張りに立ててシャワーを浴びて、就寝した。
今日もよく働いた。
次の日の朝、美人局飽きたので、牛男が御者で出発する。今日は野宿して、明日到着予定だ。
今日は適当にピクニック気分でバーベキューしてと言う感じで行こうと思う。
荷台にいても飽きるので、僕は日よけに厚着して、御者台に座る。昨日日焼けしたので少しひりひりする。
なんと言うか草原草原だ。飽きる。
昨日粗方狩り尽くしたのか盗賊系は出ない。
モミとベルは日焼けが嫌で、幌が付いてるので、荷台で寝てる。
話し相手も牛男しかいない。
暇なので、牛男の剣闘士時代の話しを聞く。
牛男が苦手だったのは、刀を使う侍だったそうだ。力を受け流し、正確に反撃してきて厄介だったという。今度、牛男と訓練をする約束をする。僕は意外と剣の技術は高いはずだ。
そろそろお昼なので、今日は、草原に敷物を敷いて、サンドイッチをみんなで食べる。先日仕込んでたものだ。
少しゆっくりして出発する。今度は荷台の上で、ベルの今までを聞く。
ベルは今140才で、ハイエルフの中では多分一番若いと言ってる。ロリばばあかよ!
ずっと森のなかで住んでて、そのあと、迷宮都市サーレという所で暮らし、30年ほど前にあの町に来たそうだ。
ずっとアンブロシアの研究をしてたそうだ。正直アンブロシアはくそ魔法だと思うが、口にはしない。ショック受けそうなので。
ベルは存外、戦闘能力が高いので危険な目には遭ったことは余りないそうだ。
それに、余り人に絡まれなかったと言う。それは、多分でぶだったからだろう。
かなり進んだと思うので、川を見つけたので、今日はここで野営する事にする。自然を楽しむために、今日はベルハウスはなしだ。
僕たちは、キャンプの準備を始めた。