第十一話 アナの策略
「戦神降臨!90%!!」
アナが叫び、その体が金色に光る。
「くそウサギ!ぶっ殺す!」
アナのパンチをウサギはひょいひょい避ける。なかなかいいぬいぐるみだな。今後僕のボディガードにしよう。
「アナ落ち着け!あと四回だ!」
皆、席に着く。ウサギのぬいぐるみもゆっくりとテーブルに座る。
「こいつの事わすれてたな!けど、ギルティまで時間かかかりすぎじゃないか?悪意を感じるな」
僕の言葉に皆うなづく。
「疲れたな、少し休憩しよう」
僕はしばらく考える時間を取ることにした。
「なんか飲み物持ってくるかしら」
「私も手伝おう」
ベルとアナが隣の部屋から、謎茶を持ってきて、皆で飲む。うまいお茶だ。
考えをよーくまとめてみよう。
アナの目的は何だろうか?
アナのさっきの命令の意味は目的は?
まず、アナの目的は、僕に対して何らかなエッチな事をする事だろう。奴のぎらぎらした目は明らかに僕を狙っている。と言うことは、アナに今必要な事は、王様になることと、僕の番号を知ることの二点だ。
「!!!」
ふと、僕の頭に一つの可能性が浮かぶ。
アナはさっきのドサクサでガンを打ちやがったな!
ガンを打つとは、麻雀やカードゲームなどで自分にしか解らない目印を付ける事だ。
アナは間違いなく王様のくじに自分しか解らない印を付けている。ワイルドな命令で皆の目をそらして自分のする細工から目を背けたのだろう。さすが無駄に黄金認識標ゴールドクラスの冒険者。
「マリー疲れたから魔力をよこすのかしら」
ベルが僕の横に椅子を持ってきて僕の口を手で繫ぐ。口調はいつものベルに戻っている。
「うっ!」
急に体が熱くなって、顔がほてる。まるでお酒を飲んだように!
「エルフに伝わる、飲んだ後にしばらくしてからお酒に変わる魔法のお茶よ!マリー!そんな難しい顔しないでゲームを楽しむのかしら!」
ベルが僕に向いて優しく微笑む。余計な事すなや!
むむ、お酒で集中力が散漫になってくる……
「では、そろそろ始めようか」
アナが低い声で静かに促す。
『王様だーれだ!』
皆で仲良く唱和する。
「ほう、また私が王様か!ついてる事もあるものだな。日頃の行いのせいかな?」
王様はアナだ、猿芝居しやがって!
「王様が三番の胸を揉む!」
「三番、僕だ…」
アナが僕の背中にまわり僕の胸をもみもみする。くすぐったい。アナは至福の笑みだ、まるで天使みたいだ。やってる事はくそだけど。
しばらくしつこくもみもみした後、アナは名残惜しそうに席にもどる。
一つ解った!
おっぱいもみもみはノットギルティだ。僕もこのセリフでいかせてもらい、生タッチしてやる!
いかさまの種は割れたし、さあこれから反撃の時間だ