表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

112/404

第六話 金色の勇者


「逃げろ!ベルーー!」


 僕はありったけ叫ぶ!


「嫌よ!マリー!」


 ゴーレムの手が振り下ろされる。


 ゴシッ!!


 鈍い音がする。僕は目を開ける。


「お怪我は無いかな!お嬢さん達!」


 そこには、ゴーレムの手を片手で受け止めてるアルスがいた。


「君の心の叫びしかと受け取った!愛の力が呪いをはねのけた!」


 よく見ると、所々、アルスの体は石のままだ、こいつ、魔神をも封印した呪いを、自力で屈服させてるのか?


「オオオオオオオーッ!!愛の力が俺の心に火を灯す!」


 嫌な予感がする。アルスから金色の光りが漏れ出す。


「愛の勇者!アルス覚醒!」


 アルスの体が膨れ上がる!全ての服が四散する。


 そこには、金色の髪を逆立てた、金の光に包まれた全裸のマッチョマンがいた。


「ウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラウラ!」


 そこからは一方的だった!


 ゴーレムを殴る殴る殴る!殴ったゴーレムが他のゴーレムに当たって全て弾ける。たまに掴んで投げる。


「あれは、何なのかしら?」


 ベルは呆然としている。


「アナの先輩、変態超人1号だ…」


 僕は呟く。


 さらにアルスが光かがやき、全身に力がみなぎる。


 そして、両手を前に突き出す!


「スーパーうんばらばっぱぽう!!」


 通路いっぱいに広がった光の帯が壁を削りながら、全てを殲滅した!



「悪は滅びた!」


 そう言うとアルスは膝をつく。光も薄れ、体も萎み初めている。


「時間が無い、これと袋…」


 言葉の途中で、アルスは石像に戻ってしまった。ただ、胸の赤い宝石が微かに輝いている。


「アルス…」


 僕は無意識に呟く。どうすればいい?


「貸し一つかしら!」


 ベルはそう言うと、アルスだった石像に、近づく。


 赤い光が溢れ咄嗟に目をとじる。目を開けると、ベルが石像になっていた!


「ベル…」


 ベルは僕の事を信じてくれてるのだろう。会って間もないのに何でそんなに信じれるのだろう?不謹慎だけど、ベルは東方の狸の置物みたいだ。


「お、俺は…」


 アルスが立ち上がる。裸なので、僕は収納からマントを出し差し出す。


 アルスは玉座の方に向かい、自分の袋を持ってきて、その中から、口を縛った革袋をだす。それと、首にかけてたドングリに紐を通したネックレスを外し、僕に差し出す。


「これを、聖都にある。サンマルコ寺院のシスターに渡してくれ。君ならば、呪いを解く方法を見つけ出せるはず。待ってるよ」


 アルスはそう言うと、ベルについてる宝石に触れる。


 赤い光があふれ、ベルがもどり、アルスが石化する。


「アルス、馬鹿なやつ!なんでベル達を信じるのかしら!ベルよりこいつの方が強いから、マリー、一緒に呪いをとくのかしら!」


 ベルが宝石に触れ石化し、アルスが戻る。


「君たちの方が、魔法に詳しいから、俺が残る!」


 また、アルスが石化し、ベルが戻る。


「しつこい男かしら!マリー次は阻止するのよ!」


 ベルは大声をだす。


「ベル!何で僕達を信じれるのか?」


 僕は疑問を口にする。


「何言ってんのかしら、仲間だからにきまってるかしら!」


 それを聞いて、僕は決心する。僕も君たちを信じる!


 僕は宝石に触れる。視界が薄れ、僕は眠るかのように意識を失った…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ