第二十六話 サリーとの別れ
『短い間でしたけど、楽しかったです』
手紙はそれから始まった。
『やはり、どうしても、この格好でマリーちゃんたちと一緒に暮らすのは、難しいです。
先に、聖都でダイエットに励もうと思います。ベルちゃんが一月かかったそうなので、あたしは、二週間で元の体型に戻ってみせます。お部屋は自由に使って下さい。
ベルちゃんには、もう怒ってないって伝えて下さい。
また、美味しい料理をたくさん作ってください。楽しみにしてます。
約束はできれば、守って欲しいです。多分ベルちゃんはしょうがないです…気づいてると思います。
聖都で待ってます!
マリーちゃん、大好きです!』
僕は、手紙を読む。とめどなく涙が溢れる。僕はサリーを好きになり始めていた。
起きて来た、牛男とベルが僕を見ている。
「ごめんなさい、マリー、止められなかった…」
ベルが頭を下げる。
僕は部屋を出ようとするが、牛男が僕の手を掴む。
「牛男!命令だ!離せ!」
「その命令は聞けません!何処にいくつもりです?サリー様を追っかけてはなりません。もし、好きならばそっとしとくべきです。私が元の体型に戻る頃にはサリーさんも戻ってるでしょう。そして、遭いにいきましょう。それからなら私は何処にでもお供します!」
牛男は、涙を流している。
僕は牛男にしがみついて、涙涸れるまで泣き続けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ひとしきり泣いたあと、ベルに魔力を吸収して貰うことにする。ベルに触れると例の変身の発作が来る。牛男の手を引いて、隣の部屋にいき男に戻った。いつものキラの体型だ。
牛男にタッチして、マリーに戻る。いつも通りのスレンダーなマリーだ!変身でカロリーを消費したらしい。服を着替えてベルのとこへ行く。
「マリーだから、驚かないかしら」
恨みがましそうな目でベルは見ている。正直、僕はすぐ痩せれたのに、サリーに悪い気がする。
アナとモモさんに事情を話すと、二人で話し合って今後を考えるそうだ。僕が戻ってるのをみて、少し驚いてた。
そのあと、牛男はランニングに行き、僕とベルが残る。
「ジメジメしてないで、ギルドへ行くかしら!何か仕事受けるわよ!」
ベルに手を引かれて、ギルドへ行く。ベルなりに僕に気を使っているのだろう。
「マリー!もう痩せたの!つまんないわ!」
今日はモミの方から近づいてきた。
「丁度いい依頼があるのよ!魔法使いとヒーラーが欲しいらしいのよ、あんたたちにうってつけじやない、ついてるわねー」
モミは僕たちを引っ張っていく。
連れていかれた所に、渋めの眼鏡のオッサンと、金髪青年がいた。
「あっ、マリー。俺の女神。やっと見つけた」
僕が前、傷を治療した。アルスだ。
嫌な予感しかしない…
第四章 ハイエルフと世界の名を冠する魔法 完
次章に続く
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