第二十二話 黒マント現れる
「クェーーッ!」
空にワイバーンさんが飛んでる。
「ストーンバレット!」
サリーの魔法、巨石がワイバーンさんの頭に当たり墜落する。
ザシュ!
落ちてきたワイバーンさんの首をモモさんが落とす。
終了。
てってってってっ。モモさんが走ってワイバーンさんの所へ行く。
「帰ろっか…」
ワイバーンさんを引きずって、モモさんがつぶやく。
「…」
アナがなんとも言えない顔をしている。
「つまんないかしら」
ベルがその端正な顔をしかめる。
そのとき、風にのって魚の干物みたいな臭いがする。
「ほぅ、お前ら生きていたのか?勇者を釣るつもりだったが雑魚がつれるとはな…」
僕らの前に闇がわだかまり、人影を作る。フードを被った黒マントの男だ。
「雑魚でも何でもいい、助かった!早くなんか出せ!なんか召喚しろ。出来るだけ強い奴を今すぐだ!」
アナが手を握りしめてキラキラした目で、マントさんを見てる。
「お前!そんなに死にたいのか?」
マントさんは低い声で凄む。
「ああ!死にたい!死にたい!ぜひ死なせてくれ!ていうか早くだせ!けちらずありったけだせ!」
アナが嬉しそうにはしゃぐ。少女が男に出せ出せせがまないで欲しいものだ。けど、良かった。いいおもちゃをみつけたので、これでアナは暴走はしないだろう。
黒マントを中心に闇が噴き出したかに見える。濃厚な魔力が可視化したのだろう。
「雑魚がっ。馬鹿にしやがって。望み通り殺してやる!我が全ての魔力よ奇跡を起こせ!来たれ蹂躙せよ地獄の軍団!!」
空に数多の魔法陣が現れ光りワイバーンが出現する。
「おお!やれば出来るじゃないか!もっと頑張れ!」
アナが本当に嬉しそうに応援してる。
「宝の山ねー!」
サリーも目をキラキラさせている。
「まだだ!お前らの顔を恐怖で引きつらせてやる!クボッ!」
マントさんは口から茶色い血?を吐く。
「くうっ!もはやこれまでか!!」
マントさんは片膝をつく。
「駄目だ!死ぬな!まだ頑張れる!マリー!癒せ!」
アナが焦って叫ぶ。
僕は駆け寄る。この方にはもっと働いてもらわないと!
「タッチヒールアドバンスド!」
そこそこ魔力を込めタッチヒールで癒す。
僕はマントさんに触れる。
「アボボボボボボ!」
マントさんは苦しんでのたうちまわる。もしかしてこの方アンデッド?そう言えばなんか干物臭いような…
マントさんは光に包まれて消えていく。そして、フードが外れ、おっさんがすがすがしい顔で微笑む。
「ありがとう!これで眠れる…」
そう言うと消え去る。勝手に成仏すなや!
「もったいない…」
モモさんがボソッと呟く。
「僕だけの、せいじゃないよねー!!」
増殖は諦めて、戦うことにする
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