第二十一話 冒険者の装備
「どういう作戦で行こうか?」
アナが僕に問いかける。赤い軽鎧に赤い槍に赤い兜、兜のバイザーを上げているので、その端正な顔は見えている。鎧は鎖かたびらの上から主要な部分は金属板で補強していて、動きやすさを重視している。
「サリーの魔法で打ちおとすか、アナがマリーを背負ったのを私か牛男が投げて打ち落とし、地上戦で倒す。」
今日はモモさんがよく話す。戦いが好きなのだろうか?
モモさんの正装は激しい。ぶ厚い金属板を組み合わせた全身鎧に、巨人のものかのような大剣、小さな舟位ある巨大な盾。それらは光を返さない漆黒に彩られている。
もう、見た目は誰か解らない。大剣と大盾を背中にかけて、普通に歩いている。とてつもない重量故にだろう。ガチャガチャでなくギシギシ音を立てている。
「了解よー!」
サリーは金の刺繍の入った白のローブの上から、白の胸当て、手甲、脚絆。胸が揺れるのを見れないのが残念だ。
僕はピンクのワンピース。普段着だ。装備が欲しい。
あと、牛男とベルはいつも通りだ。僕と同様普段着だ。
僕たちは北東の山岳地帯にいる。
起きると、僕はベルと手を繋いで寝てた。隣のベッドでは三人娘が組んずほぐれつ寝てる。何があったのだろうか。きわどいところが、特にアナ、見えそうだったので、とっとと起こす。
今日の行動決定権を手にしたモモさんとベルは、一番高額報酬の依頼をギルドで受ける事にした。
パンと目玉焼きとスープの軽い朝食を取り、ギルドへ向かう。
ちょうど新しいワイバーンの討伐依頼が出ててそれを受けることにした。
ワイバーン自体はそこまで強くはないのだが、空中にいるというのがネック。撃ち落とす手段が無かったら戦いにならない。しかも上位種は火とかを吐いたりするらしい。そうなるともうお手上げだ。
僕たちは、目撃情報のあったここまで走ってきて、ワイバーンを探している。
もしなんかのはずみで男に戻ったら、フル装備のモモさんには勝てる気がしないので、牛男にタッチヒールしながら、ベルにはドレインしてもらっている。
多分MPが一定量回復して女性に生タッチしたら男の子に戻るのだろう。けど、キラ状態だったら、ワイバーンなど秒殺なのだけど。むしろ好物!竜戦士にとってはただの獲物に過ぎない。
「クェーーッ!」
なんか奇声が聞こえたので空を見ると、遠くで鳥みたいなのが飛んでる。多分ワイバーンだろう。僕たちは走りだした。
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